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2014年3月 2日 (日)

検体は採取してから提出するまで何時間までOK?

金曜日の夜に採取した糞便が室温で放置され,月曜日の朝に提出される.こんなことはどこの病院でも一度や二度ならずあるのではないでしょうか?微生物検査の検体は,どのくらい「すぐ」に出さないといけないのでしょうか.そして「すぐ」に出せない場合はどうしたらよいのでしょうか?

一般的には「室温なら2時間以内に搬送」

検体搬送に関する教科書やガイドラインの記載をみると,喀痰や尿などは室温での搬送の場合,検体を採取してから検査室へ到着するまで「2時間」,便などは「1時間」としている記載が多く見られます.室温で2時間以上放置することで,検体容器の中で常在菌が増殖してしまい,本来の菌量が分からなくなったり,好気条件で増殖能が弱い原因微生物が死滅することを懸念してこのような基準が設けられています.

そもそも「すぐ」に結果を知りたいことがある

検体によっては「immediately すぐに」と記載されているものもあります.例えば細菌性髄膜炎では,患者が来院してからなるべく短時間で適切な抗菌薬を開始することが求められます.こんな時には「すぐ」に検体を搬送し,「すぐ」にグラム染色をして,「すぐ」に結果を報告してもらう必要があります.生検や穿刺などの侵襲的処置で得られる検体や,塗抹検査によって治療方針が大きく変わる感染症などでは,「検体を放置することで検体が受ける影響」というよりも,「結果を報告するまでの迅速性が重要である」という考えから「すぐ」に搬送することが求められます.

搬送だけを「すぐ」すればよいのではない

すでに述べたように,せっかく「すぐ」に搬送されても,検査室で放置されてはいけません.どのような検体を,どのような優先順位で,どのように検査し,どのように報告を行うのか,病院でしっかりとルール作りをしておく必要があります.

「すぐ」に搬送,検査ができない場合

とはいえ,24時間365日対応で検体搬送,検査,結果報告が「すぐ」にできる病院は一握りでしょう.従ってそのような場合に検体を「保管」する必要がでてきます.通常は「4℃」で各種微生物の増殖を停止させて保管することが推奨されています.ただし「4℃にしてはいけない」場合があります.代表的な検体は髄液です.髄膜炎の原因微生物として重要な髄膜炎菌は低温では死滅しやすいため,髄液を冷蔵することは「決して」してはいけません.

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