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2019年8月14日 (水)

グラム染色(A→Z アルファベット順に並んでいます)

Candida albicans カンジダ・アルビカンス(血培)

仮性菌糸を伸び伸びと伸ばします.

Candida_albicans_blood_culture_id_confer

Candida glabrata カンジダ・グラブラータ(血培)

仮性菌糸を作らないのが特徴です.菌体も小ぶりです.グラム染色を見渡して,仮性菌糸らしきものがあれば「glabrataではないな」,仮性菌糸らしきものがなければ「glabrataかもしれない」と思うようにしています.

Candida_glabrata_blood_culture_id_confer

Candida parapsilosis カンジダ・パラシローシス(血培)

Candida albicansと比べると仮性菌糸が控えめです.菌体は長めで「タイ米」と表現した研修医がいました.新生児や小児で特に多く,フルコナゾールが第一選択(キャンディン系薬が効きにくい場合があります)となります.英語の発音は正確には「カンジダ・パラサイローシス」です(youtube).パラサイローシスにしてもパラシローシスにしても,途中の"p"は発音しません.しかし日本語の会話では分かりやすく「パラプシ」と呼ぶことが多いかもしれません.

Candida_parapsilosis_blood_culture_id_co

Haemophilus influenze インフルエンザ菌(喀痰)

米をひとつかみ投げてばらまいた感じです.技師さんは「黄色ブドウ球菌や肺炎球菌などのグラム陽性菌は誰でも見えるし分かる.インフルエンザ菌は小さくて見逃しやすい.喀痰を見るときはまず『インフルエンザ菌はいないか』考えながら見なさい」と言います.

Haemophilus_influenzae_sputum_id_confere

Staphylococcus aureus 黄色ブドウ球菌(血液培養)

菌体の後ろに赤いオーラをまとっていると黄色ブドウ球菌の可能性が高まります.Hadanoらは,"oozing sign"と呼んでいます.ピンクサイン,と呼ぶ人もいます.

Sa

クラスター(菌塊)がとても大きくなるパターンも黄色ブドウ球菌のことが多いです.

Staphylococcus_aureus_blood_culture_id_c

Staphylococcus epidermidis 表皮ブドウ球菌(血液培養)

黄色ブドウ球菌と比べると,菌体一つひとつがパラパラとばらけ,区別しやすい感じです.

Staphylococcus-epidermidis_id_conference

Streptococcus dysgalactiae subspecies equisimilis (SDSE)(血培)

ランスフィールド分類では通常G群に分類され,GGS(Group G Streptococci)と呼ぶこともあります.長いレンサのレンサ球菌ですが,注目して欲しいのは「赤くべったりとした」背景です.本菌はβ溶血(完全溶血)で溶血性が高いため,血液培養では赤血球が溶血し,このグラム染色写真のように,赤血球が見えず,赤くべったりした背景になります.α溶血のレンサ球菌属の血培と比べるとその違いが分かりやすいです.

Streptococcus_dysgalactiae_equisimilis_b

Streptococcus pneumoniae 肺炎球菌(喀痰)

市中肺炎,市中髄膜炎の代表的な菌である肺炎球菌です.「莢膜を有するグラム陽性双球菌」はグラム染色を代表するグラム染色像です.

Streptococcus-pneumoniae_sputum_idconfer

Streptococcus salivarius(血培)

α溶血のいわゆる「緑色レンサ球菌属(ビリダンスレンサ球菌)」の一種です.β溶血性のレンサ球菌の血培グラム染色(例えば上のStreptococcus dysgalactiae subspecies equisimilis)と比べて,赤血球がよく残っているのが分かると思います.

Streptococcus_salivarius_blood_culture_i

2014年3月 2日 (日)

検体は採取してから提出するまで何時間までOK?

金曜日の夜に採取した糞便が室温で放置され,月曜日の朝に提出される.こんなことはどこの病院でも一度や二度ならずあるのではないでしょうか?微生物検査の検体は,どのくらい「すぐ」に出さないといけないのでしょうか.そして「すぐ」に出せない場合はどうしたらよいのでしょうか?

一般的には「室温なら2時間以内に搬送」

検体搬送に関する教科書やガイドラインの記載をみると,喀痰や尿などは室温での搬送の場合,検体を採取してから検査室へ到着するまで「2時間」,便などは「1時間」としている記載が多く見られます.室温で2時間以上放置することで,検体容器の中で常在菌が増殖してしまい,本来の菌量が分からなくなったり,好気条件で増殖能が弱い原因微生物が死滅することを懸念してこのような基準が設けられています.

そもそも「すぐ」に結果を知りたいことがある

検体によっては「immediately すぐに」と記載されているものもあります.例えば細菌性髄膜炎では,患者が来院してからなるべく短時間で適切な抗菌薬を開始することが求められます.こんな時には「すぐ」に検体を搬送し,「すぐ」にグラム染色をして,「すぐ」に結果を報告してもらう必要があります.生検や穿刺などの侵襲的処置で得られる検体や,塗抹検査によって治療方針が大きく変わる感染症などでは,「検体を放置することで検体が受ける影響」というよりも,「結果を報告するまでの迅速性が重要である」という考えから「すぐ」に搬送することが求められます.

搬送だけを「すぐ」すればよいのではない

すでに述べたように,せっかく「すぐ」に搬送されても,検査室で放置されてはいけません.どのような検体を,どのような優先順位で,どのように検査し,どのように報告を行うのか,病院でしっかりとルール作りをしておく必要があります.

「すぐ」に搬送,検査ができない場合

とはいえ,24時間365日対応で検体搬送,検査,結果報告が「すぐ」にできる病院は一握りでしょう.従ってそのような場合に検体を「保管」する必要がでてきます.通常は「4℃」で各種微生物の増殖を停止させて保管することが推奨されています.ただし「4℃にしてはいけない」場合があります.代表的な検体は髄液です.髄膜炎の原因微生物として重要な髄膜炎菌は低温では死滅しやすいため,髄液を冷蔵することは「決して」してはいけません.

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