無料ブログはココログ

2014年11月15日 (土)

輸入レプトスピラ症の5例のまとめと、パラオ帰国後のレプトスピラ症

DCCの忽那です。

いつもの「論文掲載報告」です。
ダニ関係の投稿ではなく申し訳ありません。
 
DCCで診療した輸入レプトスピラ症の5例をまとめたケースシリーズがJournal of Infection and Chemotherapyに掲載されました。
 
Travel-related leptospirosis in Japan: A report on a series of five imported cases diagnosed at the National Center for Global Health and Medicine
http://www.jiac-j.com/article/S1341-321X(14)00357-2/abstract
 
Travelrelated_leptospirosis_in_japa
 
レプトスピラ症は輸入感染症のビッグ5とよく言われますが、輸入感染症としての日本における知見がまとめられている文献があまりなかったことから今回まとめてみました。
日本では東南アジアからの輸入例が多いこと、全例に淡水曝露歴があったこと、など重要な知見かと思います。
 
そして、なんとこのあと2例のパラオ帰国後のレプトスピラ症が・・・。
もう少し投稿するのを待てば良かった・・・。
 
LEPTOSPIROSIS - JAPAN (02): ex PALAU, SWIMMING
http://www.promedmail.org/direct.php?id=2949702
 
当院の総合感染症コースの的野先生が投稿してくれました。
この2例は台風18号(アジア名:ファンフォン)通過後に水かさが増した滝に浸かっていたということで、やはり曝露歴が明確でした。
 
私個人としてはまだまだ輸入レプトスピラ症を見逃しているのではないかと思っています。
またこのような報告をするべく日常診療に取り組みたいと思います。

2014年10月21日 (火)

日本医師会雑誌 感染症診療update

DCCの忽那です。

ちょろっと宣伝をしてもよろしいでしょうか。
特に反対意見がないようですので、思いっきり宣伝させていただきます。
 
日本医師会雑誌 第143巻・特別号(2)は「感染症診療update」となっております。
 
Img_9689_1
 
名前の通り日本医師会の発行している本で、今回は感染症特集ということでボスの大曲先生が編集に関わっています。
このシリーズは毎回14万部くらい発行される、たいへん歴史のある本だそうです。
なんかそんなすごい本には見えない装丁なんですが、青木眞先生をはじめ錚々たる先生がたがご執筆されている超豪華な内容となっております。
しかも!本を開くとそこには・・・
 
Img_9691
 
なんと忽那、笠原(奈良医大感染症センター)、そして山本(グラム染色道場)という3人の名前が!!
いやー、巻頭カラー14Pですか。
少年ジャンプで言うところのドラゴンボール並みの扱いではないでしょうか。
まあ単にグラム染色などの写真をたくさん掲載しているためカラー印刷の関係で最初に載せていただいているだけなんですが。
 
それよりもなによりもこの3人で一緒にお仕事ができたことを大変嬉しく思います。
あの日奈良で行われたグラム染色カンファレンスが昨日のことのように思い出されます。
一生の記念になりました。機会を与えてくれたボスに感謝です。

2014年9月29日 (月)

日本人2例目となる回帰熱症例

DCCの忽那です。

もはや2年前の症例ですが、様々な紆余曲折を経てようやく形になりました。
アルジェリアで回帰熱に感染した事例についての、ダニーズ戸山支部(忽那&川端)からの報告です。
遠くアルジェリア大使館からご相談いただいた志賀先生、ありがとうございました。
 
これで輸入回帰熱は1例目、2例目とも忽那&川端による診断ということで独占状態です(他に誰も狙ってないと思いますが)。
今後もダニに咬まれた事例がありましたら、お気軽にダニーズにご相談ください。
 
〔感染症誌 88: 713~714, 2014〕
2_2

2014年5月11日 (日)

iPhoneで顕微鏡のグラム染色写真を撮るためのアタッチメント

DCCの忽那です。

 
月日が経つのは早いもので、「単焦点レンズでグラム染色の写真を撮ろう!」というエントリーを書いて3年が経ちました。
確かに単焦点レンズの一眼レフは顕微鏡の写真を撮りやすい。
それは揺るぎない事実であります。
しかし、一眼レフを持ち歩くのはダルいと思うようになってきた自分であります。
寄る年波には勝てない・・・。
 
そういうわけで、最近のiPhoneは性能が格段に良くなったこともあり、細菌検査室ではiPhoneでパシャリと所見を納めることが実際には多いのであります。
 
10
●iPhoneを接眼レンズに当てて、グラム染色写真を撮る人々
 
iPhoneでもほとんどキレイに撮れるんですが、素早く適切な写真を撮るにはそれなりに熟練が必要であります。
私も寝不足のときには手がブレて、なかなか良い写真が撮れないことがあります。
そんな我々に心強い味方が登場しました。
 
P1200913
 
iPhoneを接眼レンズに固定できるアタッチメントであります。
このアタッチメントの需要が世間的にどれくらいあるのか全く未知数ですが、個人的にはたいへん有難い装置であります。
これで禁断症状で手が震えているときでもブレずに撮影ができます。
 
P1200919
 
iPhoneのカバーとしてカパッとはめ込みます。
 
P1200920
 
接眼レンズにはめ込む部分はこんな感じです。
 
P1200921
 
カメラの部分にちょうど穴が空いております。
これを接眼レンズにはめ込めば・・・。
 
P1200918
拡大してもブレない!
かなりキレイな写真が撮れます。
ちなみに撮っている写真は便のグラム染色のジアルジアです。
特にCOIはなく、この会社の回し者ではありませんが、一応ご紹介しておきます。
 
Magnifi
http://www.arcturuslabs.com/
 
お値段$79.99。
うーん、これは高いのか安いのかちょうど判断に悩む価格設定であります。
まあ自分はマイ顕微鏡を買うような男ですので、ためらいもなく買いましたが。
made in USAのようですので、届くのに2週間くらいかかります。

2014年4月27日 (日)

ダニツアー2014

Img_8517

国立国際医療センターDCCの忽那です。
回帰熱を経験して早4年。
思えばそのときから、この日が来ることが運命づけられていたのでしょう・・・。
今年の2月に国立感染症研究所の川端寛樹先生に、回帰熱についてご講演に来ていただきました。
NCGMと感染研は定期的にコラボ企画をしており、この日はその第1回目ということで私が臨床医としての回帰熱を語り、川端先生には研究者側から回帰熱についてご講演いただきました。
川端先生のご講演でのダニへの熱い想いにほだされ、すっかり私もダニ熱が高まってしまい、そのときの飲み会で「いやー、マジで自分もダニ取りに行きたいっすね」と言ったところ、「はい、じゃあ行きましょう」と孫正義ばりに即答でダニツアーの決行が決まったのでありました。
 
今回のダニツアーの参加者は4名。
国立感染症研究所 川端先生
国立国際医療センター DCC忽那、ACC T先生、総合感染症コースU村
以上4名の「ダニーズ戸山支部」でダニハンティングの旅に出たのでありました。
 
Img_8473
 
場所は静岡県三島市。
三島駅に集合した我々は、そこから車で移動しました。
 
Img_8481
 
鷲頭山登山道入口と書かれた場所に到着。
 
「鷲頭山・・・川端先生、これは何と読むのでしょうか?」
「いや、分かんないっす」
「えっ・・・(いつも来てるんじゃ・・・)」
 
やや不安を感じつつも「山の名前なんか関係ねえ、ダニがいるかいないか、それだけだ!」という川端先生のダニへの情熱を感じ、再び闘志を燃やす我々でありました。
 
「じゃあここで準備をしましょう」
 
ということで、ここでダニツアーの準備を整えます。
 
Img_8474
 
まずはダニから身を守るための虫除けから。
DEET12%配合のムシペールPSは国内の虫除けでは最もDEET濃度が濃い虫除けであります。
しかし、効果持続時間が短いので、海外では20%以上のものが推奨されております。
 
Img_8480
 
念入りに虫除けを足にかけるU村。
ちなみに服装は長袖長ズボンであります。
 
Img_8477
 
しっかり虫除けをかけまくった後は、ダニを捕獲するためのアイテムのチェックです。
透明のプラスチック容器に立方体のスポンジを入れ、軽く水に浸します。これはダニが湿潤した環境を好み、乾燥した環境だと死んでしまうからとのことです。
 
そして白旗&ピンセット!
これがダニハンティングの三種の神器であります。
 
Img_8504
 
準備を整えたところで、いよいよ山の中に入っていきます。
 
Img_8486
 
マジで山です。
すっかりハイキング気分で森林浴を楽しむダニーズ戸山支部のメンバーたち。
そして200Mほど入ったところで、ついにダニハンティングが始まる・・・。
 
Img_8488
 
おもむろに白旗を親の敵のように地面にこすりつける川端先生。
こすりつけた後の白旗をよく観察すると・・・。
 
川端先生「いますね」  
 
Img_8489
 
えっ・・・どこに?
よーく見てみると・・・ 
 
Img_8489_2
 
おっ、なんかおる!
さらによ〜く見てみると・・・
 
Img_8489_3
 
だ、ダニだああああああああああああああっ!
ダニーズのテンションはいきなり最高潮であります。
 
Img_8500
 
一匹目、捕獲完了!
なるほど、こうやって捕まえるんですね!
とりあえずダニ捕獲のマナーを学んだ我々は、各自ダニハンティングへと散ったのでありました。
 
10170905_1466451006919648_608984446
Img_0708
 
休日に家族を置いて一心不乱にダニを捕まえている中年たち・・・。
とても家族には見せられない、シュールな光景であります。
 
Img_0718
 
くつな「よっしゃあああ!大物4匹ゲットー!これはDP高いぜ!」
U村「いや、それは全部で20DPくらいっしょ!」
 
いつの間にかDP(ダニポイント)なるものが生まれ、ポイントを競う争いに変わっているダニハンティングなのでありました。
約2時間のハンティングで、各自50匹くらいのダニをゲットしました。
 
Img_8524
 
これがダニ捕獲ボックスの中のダニたち。
 
Img_0723
 
U村「なんかこうして見てると、ダニが愛おしく感じて来ますね・・・」
ダニに愛しさと切なさと心強さを感じ始めるU村。
しかし、その気持ち100%分かる。
 
今回捕獲したダニは、感染研でSFTSウィルス遺伝子の抽出やBorreliaの培養などの研究目的で使用されるとのことです。
東日本ではアナプラズマ症が報告されており(Human Granulocytic Anaplasmosis, Japan. Emerg Infect Dis. Feb 2013; 19(2): 289–292.)、SFTSを保有するダニも東日本から分離されています(<速報>重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルスの国内分布調査結果(第一報))。さらにはバベシア、ミヤモトイなど日本はダニ媒介性疾患の新興感染症が脅威となっています。
そう、我々が行ったダニツアーは「疫学調査」なのです!
さらには、この山道はハイキングの人気スポットであり、ハイキングを楽しむ方々をダニから守る、予防医学の観点からもこのダニツアーは重要なのではないでしょうか。
山道を歩いて足腰も強くなるし、いいことだらけ!(自分が感染しなかったら)
 
ダニツアーを終え、自宅に戻り自分の体にダニがついていないか観察しましたが(残念ながら)ダニは付着しておりませんでした。
またぜひ川端先生にお供させていただきたいと思います。
それでは最後に、ダニーズ戸山支部のテーマソング、ミッシェル・ガン・エレファントの「Danny Go」でお別れです。
 
 
※今回のダニツアーはご専門の川端先生の監督のもと安全に配慮して行われております。

2014年4月18日 (金)

「ワクチンで困るケースをみんなで話してみました―ケースで学ぶ予防接種の実際」

「ワクチンで困るケースをみんなで話してみました―ケースで学ぶ予防接種の実際」41pn1scockl_sl500_aa300_

DCCの忽那です。
ふと医局に戻ると包装が届いており、開けてみるとこの本が入っておりました。
著者には竹下、山元、氏家、金川、大曲という聞いたことのある名前が・・・。
私は「もちろん『ID Conference』で宣伝するよな!」という目に見えぬメッセージを受信したのでご紹介させていただきます。
社会人たるもの、行間を読めるようになることも大事なのであります。
 
さて、本書は日常ワクチン診療に従事している医療従事者にとっては「かゆいところに手が届く」良書であると思います。
誰もが悩む、そして多くは一概にどれが正しいとは言えない事項について、これまでに明らかになっている点、分かっていない点を整理しつつ、最善のプラクティスを目指すという実に誠実な内容であると感じました。
またエキスパートの先生方が実際にどのように受診者に説明しているのかなど、臨場感の伝わる内容であり、大変参考になりました。
 
読者の対象については、ある程度ワクチンの勉強をした医療従事者であろうと思われます。
我々のような感染症医だけでなく、実際にワクチン診療に従事している内科医にとっても大いに参考になると思います。
ワクチンをこれから勉強しようという方にとってはやや難しいというか、いきなりここで取り上げている内容に関して悩む必要はなく、まずは基本的な内容から勉強することをおすすめいたします。
しかし最近は本書のように「ちょっと捻ったキャッチーなタイトル」の医学書が多いですね。
この流れは「誰も教えてくれなかった「風邪」の診かた」から生まれた潮流なのではないかと勝手に歴史分析しております。ええ。

2014年2月13日 (木)

Clinical Pictureの投稿を受け付けているJournal一覧

DCCの忽那です。
先日、DCCに見学に来られた小児科の先生に「ブログ、いつも見てます」と言われ、いつも見てると言われるほど更新していないことに罪悪感を覚えましたので更新させていただきます。
いや、そもそも私のブログではなく、笠原先生のブログですからね。ええ。
 
さて、忽那の感染症におけるサブスペシャリティは何かと問われると「・・・輸入感染症?・・・グラム染色?」と小声で答えたくなる程度の自信しかありませんが、Clinical Pictureについては一家言ある私であります。
現在もJIMという総合診療医の先生方が読まれる雑誌に「みるトレ」としてClinical Pictureの連載をさせていただいておりますし、NEJMとInternal MedicineにそれぞれClinical Pictureを掲載していただいております。
常に白衣にはカメラを忍ばせて病棟を闊歩しております(もちろん撮影の際は患者さんの許可を取りましょう)。
そんなClinical Picture職人の私が、Clinical Pictureの投稿を受け付けている感染症系の医学雑誌の一覧をまとめてみましたのでご参考ください。
Impact Factor(IF)の付いていない雑誌であれば他にもBMJ case reportをはじめ、たくさんありますので省略させていただきました。
Clinical Pictureの投稿はあまり手間がかかりません。
ぜひ気軽に投稿してみてはいかがでしょうか?
 
----------------------------------------------------------------------------
 
■New England Journal of Medicine
Nejm_000
IF 51.658
150 words
2 authors
http://www.nejm.org/page/author-center/article-types

掲載例;http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMicm1303608
 
■Lancet
127lancet2_copy
IF 39.06
150 words
http://www.thelancet.com/lancet-information-for-authors/article-types-manuscript-requirements
 
■BMJ
Bmj_cover
IF 17.215
100 words
http://www.bmj.com/about-bmj/resources-authors/article-types
 
■Lancet ID
Lancetidcover
IF 19.966
300 words
http://download.thelancet.com/flatcontentassets/authors/tlid-information-for-authors.pdf
 
■Clinical Infectious Diseases(photo quiz)
Cover_large
IF 9.374
Figures: 3 or less.
http://www.oxfordjournals.org/our_journals/cid/for_authors/ms_prep.html#Article Types

掲載例;http://cid.oxfordjournals.org/content/54/3/443.full
 
■Mayo Clinic Proceedings
January_2013_mayo_clinic_proceeding
IF 5.79
2 authors
http://www.mayoclinicproceedings.org/authorinfo#ima
 
■Canadian Medical Association Journal
Canadian_medical_association_journa
IF 6.5
300 words
3 references
2 authors
http://www.cmaj.ca/site/authors/preparing.xhtml
 
■The American Journal of Medicine
0012ff99_medium
IF 4.768
1500 words(reference含む)
http://cdn.elsevier.com/promis_misc/ajmimages.pdf
 
■Cleveland Clinic Journal of Medicine
Home_cover
IF 3.4
300 words
5 references
http://www.ccjm.org/site/misc/instructions_clinical_picture.xhtml
 
■The American Journal of Tropical Medicine and Hygiene
20120220j897
IF 2.592
200 words
2 references
3 authors
http://www.ajtmh.org/site/misc/ifora.xhtml
 
■Infection
Cda_displayimage1
IF 2.44
250 words
1-4 images
4 authors
5 references
http://www.springer.com/medicine/internal/journal/15010
 
■Journal of General Internal Medicine
Cda_displayimage
IF 3.278.
200 words
3 authors いずれかが学会員でないと投稿できない
http://www.jgimed.org/authors/JGIM%20Instructions%20for%20Authors.pdf
 
■Internal Medicine
20140213_181415_2
IF 0.973
150 words
3 authors
2 references
掲載例;https://www.jstage.jst.go.jp/article/internalmedicine/53/2/53_53.1486/_pdf

2014年2月 1日 (土)

Dengue in Japan?

DCCの忽那です。
先日の日本から帰国後にデング熱を発症したドイツ人の事例について考察しました。
これはDCCとしてのステートメントではなく、私個人の意見です、はい。

タヒチ帰国後のZika feverの2例

DCCの忽那です。
 
しつこいようですが、Eurosurveillanceにタヒチ帰国後のZika feverの2例が掲載されました。
英語だと読むのがダルいという方のために、日本語に訳したスライドを作成しましたので、ご興味のある方はぜひお読みください。
自分で書いた英語を日本語に訳すというシュールな体験でした・・・。
 

2013年12月31日 (火)

B. miyamotoiはあなたのそばにいるかもしれない

DCCの忽那です。
今年も1年間お世話になりました。
さて、今年の感染症のトピックの一つとしてBorrelia miyamotoi感染症が挙げられると思います。
NEJM, lancetといった超メジャージャーナルにケースレポートが乗りまくるという回帰熱フリークにとってはバブリーな1年でした。
そしてついに日本でも2例Borrelia miyamotoi感染症だったと思われる症例が見つかっています。
というわけで、1ヶ月前くらいに感染症医の集いのときに作ったBorrelia miyamotoi感染症のまとめをここに貼らせていただきます。
2013年はNEJMに風疹のphotoが掲載されたり、感染症レビューコースというUstream配信による感染症教育の新しい試みを始めたり、Zika Feverを診断したりと自分にとって大きな節目となる1年でした。
そしてたくさんの新しい出会いがあり、刺激になりました。
来年はとりあえずダイエットを頑張りたいと思います。はい。

より以前の記事一覧

最近のトラックバック