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2017年11月28日 (火)

日本臨床微生物学会第19回感染症学セミナーを開催しました

11月26日(日)に、神戸市立医療センター中央市民病院で表記のセミナーを開催しました。

今回は新しい試みとして、「ICNではない看護師さん」をメインターゲットとして企画しました

結果的に130人近い方々(うち約2分の1が看護師さんで、4分の1が薬剤師さん)に参加していただき、とても盛況な会になりました。

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まずイントロダクションとして社団法人日本看護協会神戸研修センターの森下幸子先生に「看護師と微生物検査の関わり」についてご講演をいただきました。日頃の「あるある」的なエピソードを交えながら、親しみのある河内弁で非常に分かりやすいお話でした。

続いて「尿路感染症」「菌血症」「肺炎・結核」の3疾患群について順に解説を行いました。
いただいたアンケートは概ね好評でしたが、当初の目標である「ICNではない看護師さん」に伝わる内容であったかといえば、そこは難しかったな、というのが率直な感想です。実際に「ICNではない看護師さん」に感想を聞きましたが、「さっぱり分からなかった」そうです。またある「ICNではない看護師さん」のアンケートは「オール1」でした。さっぱり分からず参加したことを後悔しながら帰った方がいらっしゃることを想像すると、とても心が痛みます。
もし次に企画できる機会があるならば、このあたりの反省も踏まえ、さら「分かりやすく」「心に響く」企画にしたいな、と思っています。

さて、

さんざん微生物の話をした後に、質問をフロアから聞いたところ、森下先生から「結局尿はスピッツ何本出したらいいんですか」と質問をいただきました。
森下先生は「わざと」この質問をされたと思うのですが、結局現場の看護師さんの疑問や要望はこういうところにあるんですよね。「現場は忙しいねんから、スピッツは1本で出すから、検査室で分注してくれたらいいやん」というわけです。

検査に関連する作業の一部(あるいは全部)を、現場でやるのか、検査室でやるのか、空しいやり取りが今日もどこかで行われています。

「室温保管は尿は2時間が限界」「尿意がないおむつ使用患者の尿は導尿で取れ」「質の悪い喀痰は取り直せ」「血培は2セットが原則」「カテ採血は無意味」「創表面のスワブ検体は無意味」「記念培養は無意味」

ぜーんぶ、「検査的には正しい」ですが、現場の諸事情に配慮しているとはいえません。「なぜそんなことになっている」を今一度考え直す必要もあるのではないでしょうか。
私はこういった「現場の諸事情」をもっと検査側が理解し、より良い検体採取器具や方法を開発していく必要があると思います。もちろん、教育・啓発も必要です。そうでなければ、検査室とベッドサイドの溝はいつまでたっても埋まらないのではないかと思います。臨床微生物検査が、臨床微生物検査室が、臨床微生物検査技師がその地位を維持していくためには、このような努力が必要だと思います。また次回の企画にはこういったあたりも活かしたいと思います。

企画側として、色々と頭の中をかき回された一日でした。ご協力いただいた先生方、ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。

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感染症」カテゴリの記事

コメント

誤嚥性肺炎へのABPC単剤投与について質問させていただいた薬剤師です。
丁寧にご回答いただき、ありがとうございました。

自分で検査をするわけでも、検体をとるわけでもない薬剤師で、
検査技師さんの検体の質が悪い!と、看護師さんのそんなうまいこと取れへんわ!の間に日々挟まれていますが、「正しいこと」と「できること」の溝に気付くことができたのは大きな収穫でした。
次の機会も楽しみにしています。
ありがとうございました。

先日はお疲れ様でした。先生の言い分は良くわかりますが、現場で採取している看護師に説明できていないのが良くないと思います。恐らく、採取方法教えてくださいと現場から言われて実践できる臨床検査技師は少ないと思います。

しかし、この問題ですが微生物検査室だけでは無く、的確に指示をしない医師にも問題が多いと思います。喀痰が適切に採取されたかどうかの確認は医師の責任だと思いますし、肺結核の診断に必要な良質な喀痰採取法にその旨記載があります。しかし、医師が確認しない分、検査室で外観チェックをさせて頂いているので、そこでrejectをしても悪い気がしません。皆さん、「患者が良くなるように最善を尽くす」という目的で進んでいるからです。

実際、尿を大量に採取したので何本も出してくる看護師は居ます。それはその都度指摘すれば良いと思います。未滅菌の尿カップに採取することもあります。雑菌は殆ど生えないのですが、バリデーションがどこまで保持できるか不明です。日本はまだ清潔ですが、そうでない地域もたくさんあります。

検体採取に関してですが、培養時の採取には文句を言われることがありますが、何故か血液検査の採血時には文句がありません。

・凝固管で採取量が少ないと間違ったデータになることは恐らく医師も看護師も知らないのですが、採血管の線以下であれば指摘をすると再採取してくれます。
・CBCで血小板凝集すると再採取してくれます。文句はでません。
・そもそも採血管を間違えるとデータが出ませんし、点滴の上流で採血すると点滴がまじります。でも採り直しを断ることはありません。
・BALで線毛上皮が無いとBALとして採取条件が悪いです。病理医が言うと診断できないという障害があるので、文句は言われません。

恐らく、同じ臨床検査では同じことです。

喀痰という唾液を提出してきて、再採取をお願いすると、「検査のプロなんだから何とかするのが当たり前だろう。」と指摘してくる人もいます。

あの時何も言いませんでしたが、我々は一方的に仕事をしている訳ではありません。
採血と同じく、採取条件が悪いのを悪いと指摘するのも仕事です。
しかし、指摘するだけでは無く、どういう理由で受付ができない、代替策を紹介したりすることは大切と思います。そこは足りないと思いますが。

考え直すのも必要ですが、採取条件は原則なので、採取についての実習を少し学会でも必要なのかと思います。

恐らく、先生の考えているほど溝は深くは無いと思います。

あ、言い忘れました。

そういう意味でも参加して良かったと思います。
今後も色々と対応をしなければ行けないと感じた次第です。

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