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2013年8月 1日 (木)

輸入回帰熱の一例

DCCの忽那です。
悠久の時を経て輸入回帰熱の症例報告が無事に掲載されました。
 
The First Case of Imported Relapsing Fever in Japan
Am J Trop Med Hyg. 2013 Jul 15.
Kutsuna S, Kawabata H, Kasahara K, Takano A, Mikasa K.

http://www.ajtmh.org/content/early/2013/07/11/ajtmh.13-0187.abstract

 
 
ここまで長かったなあ・・・(単に怠けていただけなんですけどね)。
もし「どれどれ読んでやるか」と思ってくださる方がいらっしゃいましたら、後日pdfをお送りいたしますので忽那までご連絡ください。
いや、実はまだ自分もpdfいただいてないんですけどね・・・普通掲載前に著者に送ってくれるものなんじゃないのかな・・・。
 
このID CONFERENCEを昔から読んでくださっている方はご存知かとは思いますが、この症例は自分にとっては思い入れがありまくる症例でして、今の自分があるのはこの症例のおかげだと思っています。
というわけで、ようやく報告できてとても嬉しく思います。
 
今後も「あんずの呼吸」ばりにブログで論文掲載の報告を・・・できればいいですね。

2013年7月29日 (月)

尿培養検査の rejection criteria とは?

【Answer】

  • 採取してから2時間以上経過し,冷蔵保存されていなかったもの
  • 採取方法や採取時間が記載されていないもの
  • 24時間蓄尿された尿の一部
  • Foley catheter tip
  • バルーンカテーテルのバッグに貯まった尿
  • 検体容器に破損のあるもの
  • 嫌気培養の依頼(恥骨上穿刺によって得られた検体を除く)
  • 上記に該当するが,どうしてもその検体を用いて培養する場合は,その旨をコメントとして記載する

 尿培養は医師のために行うのではなく,患者のために行うものです.せっかく行う検査を正しく解釈・利用してもらうために,検査室は自らの専門領域において,他職種を教育する立場にあることを忘れてはいけません.




尿の培養検査で注意すること

 髄液や血中のほんの少量の微生物を是が非でも検出したい,というのと異なり,尿培養検査はどうしても「コンタミネーション」あるいは「コロナイゼーション」の問題がつきまといます.

 会陰部は数多くの常在菌が存在するため,適切に中間尿を採取しないと,会陰部の常在菌の「コンタミネーション」が起こりえます.また「無症候性細菌尿」では,特に症状がないけれども実際に尿路系に細菌が存在する状況で,例外を除いては治療の対象となりません.

 従って,「患者の状況」と「菌量」を統合して最終的に診断を下す必要があります.尿路感染症の診断においては,もちろん患者の症状などの臨床的情報が不可欠ですが,同時に「菌量」も様々なガイドラインで診断基準の一つとして採用されています.

 一般的に検査室では,65歳以下の外来患者の中間尿や留置尿路カテーテルの入っている患者では1 µLの白金耳を用いて遠心しない尿を培養することが推奨されています.培地上の1コロニーは1,000 cfu/mLに相当しますので,1コロニーも生えない場合は,「103 cfu/mL以上の微生物は培養されず」と返却します.それ以下の菌量でも臨床医が知りたい場合や,65歳以上の患者,腎盂尿,導尿により採取された尿では,10 µLの白金耳を用いて培養し,この場合は培地上の1コロニーは100 cfu/mLに相当します.

 繰り返しますが,尿培養の場合は「1コロニーでも見つかれば,それが絶対的な起炎菌」とはなりません.むしろ一定菌量以下の微生物は「コンタミネーション」と見なさなければ,誤った診断が下され,不要な抗菌薬が患者に投与される危険性もあります.

 どういう患者のどういう尿を,どの菌量まで検出できるようにするか,臨床医と検査室であらかじめルールを作っておく必要があります.

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