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2013年7月29日 (月)

尿の培養検査で注意すること

 髄液や血中のほんの少量の微生物を是が非でも検出したい,というのと異なり,尿培養検査はどうしても「コンタミネーション」あるいは「コロナイゼーション」の問題がつきまといます.

 会陰部は数多くの常在菌が存在するため,適切に中間尿を採取しないと,会陰部の常在菌の「コンタミネーション」が起こりえます.また「無症候性細菌尿」では,特に症状がないけれども実際に尿路系に細菌が存在する状況で,例外を除いては治療の対象となりません.

 従って,「患者の状況」と「菌量」を統合して最終的に診断を下す必要があります.尿路感染症の診断においては,もちろん患者の症状などの臨床的情報が不可欠ですが,同時に「菌量」も様々なガイドラインで診断基準の一つとして採用されています.

 一般的に検査室では,65歳以下の外来患者の中間尿や留置尿路カテーテルの入っている患者では1 µLの白金耳を用いて遠心しない尿を培養することが推奨されています.培地上の1コロニーは1,000 cfu/mLに相当しますので,1コロニーも生えない場合は,「103 cfu/mL以上の微生物は培養されず」と返却します.それ以下の菌量でも臨床医が知りたい場合や,65歳以上の患者,腎盂尿,導尿により採取された尿では,10 µLの白金耳を用いて培養し,この場合は培地上の1コロニーは100 cfu/mLに相当します.

 繰り返しますが,尿培養の場合は「1コロニーでも見つかれば,それが絶対的な起炎菌」とはなりません.むしろ一定菌量以下の微生物は「コンタミネーション」と見なさなければ,誤った診断が下され,不要な抗菌薬が患者に投与される危険性もあります.

 どういう患者のどういう尿を,どの菌量まで検出できるようにするか,臨床医と検査室であらかじめルールを作っておく必要があります.

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