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2013年4月18日 (木)

MMWR 水痘ワクチン未接種者の死亡と移植後の播種性糞線虫感染症の事例

忽那です。

さて、NCGMのお隣には国立感染症研究所があり、ありがたいことにDCCは感染研の感染症疫学センター(旧情報センター)の抄読会に毎回参加させていただいております。
そちらで読む予定の先週のMMWRの内容をご紹介いたします。
 
 
1つ目は水痘で死亡した15歳女性について掲載されていました。
ワクチン未接種者であり、水痘肺炎を発症して入院、その後VAPやCAUTI、CRBSIなどを合併しCPFX, MEPM, ST, チカルシリン/クラブラン酸、チゲサイクリンなどが投与され(すごいですね)ましたが残念ながら亡くなられたそうです。
アメリカでは1995年に水痘ワクチンが導入されるまでは水痘での入院はほとんどが20歳以下の若年者であり年間100-150人が死亡していたそうですが、導入後は劇的に減ったそうです。
現在ACIPは12〜15ヶ月で1回目、4〜6歳で2回目の水痘ワクチンの接種を推奨しており、接種していないものにはキャッチアップとして2回の接種を推奨しています。
2000〜2006年の間に24488人のワクチン未接種の水痘関連の入院患者がいたそうですが、17143人はワクチン禁忌ではなかった(水痘ワクチン打てたはずなのに何故打ってないんだ、という意味です)。
さらに2002〜2007年の間に112人が水痘関連で死亡していますが、89%は基礎疾患のない生来健康な人だったそうです。
水痘で患者さんが亡くなってしまうのは悲しいことですが、水痘患者の死亡がここまで大きく取り上げられるのは日本ではあり得ないだろうなあと思ってしまいました。
日本は定期接種になっていませんし、成人水痘なんてザラですよね。
挙句の果てに風疹まで流行しちゃってますし・・・。
 
 
2つ目は臓器移植患者の播種性糞線虫感染症患者のお話です。
銃創で死亡したとあるプエルトリコ人男性の臓器が4人のレシピエントに移植されたのですが、移植後に免疫抑制薬を開始した後に3人が播種性糞線虫感染症を発症してしまったということです。
アメリカ臓器移植学会のガイドラインでは、トキソプラズマとTrypanosoma cruziについてはドナーとレシピエント共にスクリーニングを行うことを推奨していますが、糞線虫についてはドナーのスクリーニングは流行地域出身のレシピエントのみで、ドナーについては必須ではないようです。
したがってこのようなことが起こってしまうというわけです。
これはさすがに日本ではないだろうと思いきや、日本でも沖縄などの南部では未だに糞線虫患者がみられますので、あながち対岸の火事ではないかもしれません。
免疫不全者の原因不明のグラム陰性桿菌菌血症の患者では日本人でも播種性糞線虫感染症を疑って出身地や居住歴を確認すべきでしょう。

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