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2012年5月19日 (土)

SHIKATENみるトレが始まります

国際医療研究センターのクツナです。

この度当ブログ管理人である笠原、天理よろづ相談所病院総合内科の佐田竜一先生、そして丁稚の忽那の3人を中心としたSHIKATENチームで総合診療専門誌JIMの「みるトレ」感染症部門の連載をさせていただくことになりました。
最新刊の5月号には笠原の出題した問題が掲載されております。

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今後は定期的に我々SHIKATENチームの感染症クイズがJIMに掲載されますので、どうぞよろしくお願いいたします。

というわけで少しでもみるトレに興味を持っていただくために私の方から例題を出させていただきます。
みるトレは基本的な問題を中心に出題されていますが、今回は感染症オタクの皆様に喜ばれるようなID CONFERENCEならではの、みるトレには決して掲載できない激マニアックな問題を出題させていただきます。

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■Case 00

(架空の症例)
70代女性。
重症熱傷(Prognostic Burn Index=121)のため救命センターに長期入院中。
経過中にC. glabrataによるカテーテル関連感染症を併発しMCFGで治療中であった。
CVカテーテルを抜去しMCFGを開始してからは解熱していたが、抜去後7日目より再び38℃台の発熱を認めたため血液培養を採取した後に再びCVカテーテルを交換したところ解熱した。
採取してから7日後に血液培養が陽性となり、さらにその2日後サブロー培地にて写真のようなコロニー形成がみられた。
血液培養のグラム染色およびサブロー培地でのコロニーの写真を以下に示す。

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P1200233_2

Q. 感染のフォーカスおよび原因微生物は何か?

MCFG投与中に起こった酵母様真菌によるブレイクスルー・・・。
先に言っておきますが、C. parapsilosisではありません!!

当ブログ管理人も正解を知らないので、ふるってご回答ください。
正解は1週間後に。

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感染症」カテゴリの記事

コメント

あ、これお風呂カビでしょ。○○○るら

師範がすでに書かれてますが,私も Rhodotorula spp. に一票.赤~オレンジ色のコロニーとウレアーゼ陽性と仮性菌糸(-)が特徴だそうです.一部のクリプトコッカスも同様の性状を呈するそうです.
私は経験なしです.勉強になります.

正解は1週間後、と書きましたがあっという間に正解が出てしまったのでもう回答編にうつります。

お二人がお答えされている通りRhodotorulaです。
私も初めて聞いた名前なのですが、免疫抑制患者の感染症としてこの20年で症例が増加しているそうです。

サブロー培地に発育し、コロニーは特徴的なオレンジ色です。
血液培養のグラム染色は酵母様真菌で見た目はカンジダと区別がつきづらいのですが、カンジダよりも丸っこい(むしろクリプトに近い?)こと、仮性菌糸を出さないことと、あとはbuddingしている菌体が多いことが特徴のように思いました。
Microbiologyの成書によると形態は「oval budding yeast cells in irregular, loose clusters are observed(Konemanより)」「budding cells are round to oval or elongate(Medically Important fungi 5thより)」との記述があり、やはり卵形で発芽が多いことが特徴のようです。
仮性菌糸については稀にみられることがあるようです(鏡検した範囲では仮性菌糸は見当たりませんでした)。
仮性菌糸がない酵母様真菌では通常クリプトやC.grabrataを疑うと思いますが、発芽が多数みられればRhodotorulaも鑑別に入れるべきなのかもしれません。かなりマニアックですが。

臨床像としては免疫抑制患者でのカテーテル感染症が多いようですが、IEや眼内炎を起こすこともあるようです。
128例のsystematic reviewがあります。

Rhodotorula infection. A systematic review of 128 cases from literature.
Rev Iberoam Micol. 2008 Sep 30;25(3):135-40.
PMID: 18785780

感受性はアムホテリシンBとポサコナゾールのMICが低い一方、トリアゾールやエキノキャンディンでは高いようです(Risk of Fungemia Due to Rhodotorula and Antifungal Susceptibility Testing of Rhodotorula Isolates. J. Clin. Microbiol. 41: 5233-5, 2003.)。
治療はアムホテリシンBを使っているケースが多いようですが、FLCZで治療できたケースもあるようです。

なんかあっさり正解されて悔しい・・・。

そうそう、クリプトコッカスも似ていますが、普通のサブロー培地では白色で光沢のある集落を作るのでわかります。

クロモアガーにクリプトコッカスが発育するとピンクになりますが、3日から5日ほど経たないとだめです。

くつな先生、二双性真菌などは培養していて面白いですよ。スポロトリコーシスとか。

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