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2012年4月13日 (金)

カリニ@グラム染色

市立奈良病院の忽那改め、国立国際医療研究センター 感染症内科/国際疾病センターの忽那です。
4月から上京し、大曲貴夫先生をはじめとした先生方の元、新宿で感染症と渡航医学について勉強しております。
都会に住んだことない私としては、人の多さ、そびえ立つビル群に圧倒されています。
ちなみにコレが病院からの風景です・・・若草山が見えない・・・。

___1

とりあえず改札口を颯爽と通過するのが都会人のやり方なのだと分かったので、さっそくSuicaを買ってかっこ良く改札口を通過するテクニックを習得しました。
今後も都会人として精進していきたいと思います。

さて、私の所属は感染症内科/DCCですが、エイズ治療・研究開発センターとも交流があり、先日染め友の(というと大変恐れ多いですが)T田先生に「検体をゲットしたので染めようぜ!」とお電話をいただきACCにお邪魔してきました。

P1200057

検体はニューモシスチス肺炎疑いの症例から得られたBAL液です。
これを遠心して塗抹し、DIFF-QUIK染色を行います。

P1200065

これを顕微鏡で覗いてみると・・・

Pcp_2  

うおおおおおおお、出よったあああああああ!
ニューモシスチス原虫がウジャウジャいてはります。
診断はやはりPCP!
よっしゃああああああああ!

いやー、良い染色だったなあ・・・と私が満足感に浸っていると、隣でT田先生が「いやいや・・・これくらいで満足されては困ります・・・」と笑ってらっしゃるではないですか。
ま、まさか・・・これをグラム染色で?
やっていいんすか?

というわけで、同じ検体をグラム染色で染め上げてみました。
すると・・・そこには・・・。

Pcpg

おりよったあああああああああああ!
ニューモシスチス原虫はグラム染色でも認識可能!
これは相当衝撃的な事実ではないでしょうか!

PCPに対するBAL液のグラム染色の感度・特異度に関しては、文献を探してみましたが見つけられませんでした(当り前か)。
たぶん「グラム染色なんて使えねえ」という歴史的な経緯で現在は誰もしていないのでしょう。
ですので、これは飽くまでも「染めてみました」というものであって、PCPの診断にBAL液のグラム染色することを推奨しているわけではありませんのでご注意ください(誰もマネしないと思いますが)。

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感染症」カテゴリの記事

コメント

さっそく盛り上がってますね!うらやましいです.
まずちゃんとブロンコしてるところがさすがだな,とも思います.
さて,Pneumocystisとグラム染色ですが,
Macher AM, et al. Pneumocystis carinii identified by gram stain of lung imprints. Ann Intern Med 1983;99:484-5. PMID 6194727
Felegie TP, et al. Recognition of Pneumocystis carinii by gram stain in impression smears of lung tissue. J Clin Microbiol 1984;20:1190. PMID 6084017
など,いくつか昔の文献があり,原虫量が多いとグラム染色でも染色され,診断のきっかけにはなるようです.
そもそも,それぞれの染色が何を染めているのか,原理的なところを勉強しないといけないのかもしれませんね.
これからも臨場感を感じれる投稿お待ちしています.T田先生,O曲先生にもよろしくお伝えください.
PS
あまり早歩きしている先生をイメージすることができません.

忽那先生がいらしてから刺激的な毎日を過ごしています(管理人先生の快楽を奪ってしまったような罪悪感...)。10年若返りました。これからも忽那先生の本業に影響しない範囲で声をかけさせていただきたいと思います。

99.999%PcPの臨床診断でも、すべての原因を足すと150%(複数回答可)とかになってしまう世界なので、(特に気管支鏡のように苦しい処置を行った場合は)嗜みとしてGram染色と抗酸菌染色は行うようにしています。管理人先生ご指摘のようにHIV領域では病原体量が多いため、Gramでも結構見えてしまいますね。一見背景に見えるようなところに露わに潜んでいるので、一度見つけるとどんどん見えてきます。

感染症の世界ではDiff-QuikというとPcPみたいな感じになってますが(気のせいでしょうか)、酵母もマラリアもフィラリア※も見えますし、正月休み中の好中球数カウント、骨髄スメアで血球貪食像の検索、髄液・尿・鼻汁の好酸球検索にも使えますので、感染症屋には使いでのあるキットだと思います。自分に病理の嗜みがあればもっと活用できるのにと残念ですが、これは次世代の先生方に託しましょう。

※実家の犬を動物病院に連れて行った時に獣医先生が末血スメアを染めていたのが、HIV感染症診療施設以外でDiff-Quikキットを使っているのを初めて目の当たりにした瞬間でした。塗抹は陰性でIvermectinが処方され、「人間よりすげえ」と感動したのを覚えています。

面白そうですね。染色像で異型リンパ球のようなものが周囲にあるのはHIVかなんかの影響ですか?グラム染色は元々タンパク質の殆どが赤色に染まるのですが良く見るとコントラストがあり慣れると今まで見たことのないものが見えてくると勝手に思ってます。
うちも、CTで特徴的なGGSがありファンギフローラしましたが陰性で、ちゃうような気がします…と。結局別疾患でした。この手の疾患は陰性ですという報告に緊張感を覚えます

グラム染色で見えるってかなり昔から言われていたんですね。
確かにHIV-PCPだと菌量が多いので見えてもおかしくないのか・・・でもnon-HIV-PCPだと見えないんでしょうか。
次回はnon-HIV-PCPでも試してみたいとおもいます。

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