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2012年3月30日 (金)

セフォゾプランが消えた日。

「第4回 ななかん」も大盛況のうちに終わり、
最後は感動のメッセージ集。

20120330_155435


「あのムービーどうやって作ったの?」と、いろんな方に聞かれますが、
答えましょう!
「あれは、ただのパワーポイントで作ったスライドである」と!!!


みなさん、次回の「なんてことのない症例検討会」通称「ななかん」は6月の下旬開催予定です。
奈良にお越しの際は是非ご参加を!!!

ところで、
タイトルを無視し続けてここまで話を展開してきましたが、
先日、
感染症に師匠(メンター)を持つ僕としては、見逃せないで来事が起こってしまいました。

CZOP(セフォゾプラン)

ファーストシン®

第4世代セフェム

こいつが、使えなくなる状況は正直厳しい。

というか、

ツライ!!!


僕がとある科をローテートしていた時の事です。
ある日の夕方、「今日も疲れたー!!」と背伸びをしていると、病棟の看護師さんから連絡が。


「昼ぐらいに患者が発熱しました。

38.5℃。

なので、〇〇先生が胸水を抜かはって、

一旦37.4℃まで下がったんですが、

夕方からまた熱が38.6℃。

ボルタレン使っていいですか?」


「あ、はい、いいですよ・・・」
とは、言いつつもヤバいヤバい。って感じでしたけどね・・・

と、まぁ顔を見に行くと。。。

「あぁ、ちょっとしんどいです〜」
と、意外と元気そう。
(一安心)


まぁ、熱でてるしなぁ〜。
問診でも、特に変化は無いとの事。
身体所見をHead to Toeで取ってみるも、特に何の所見もなし。


まぁ、様子みれそうかなぁ。。。
一応、〇〇先生に報告。

「おぉ、そうか、まだ熱あるか・・・

ファーストシン®いっといて。て。て。て。て。

頭の中でこだまする「ファーストシン®」
4th Cefem
いわば、抗菌薬業界のメラゾーマ・クラス。


「せ、先生。マジでいくんですか!?」

「ん?あかんか?それやったらもっと豪勢にいくか?」


(ゴウセイ???)

抗菌薬を豪勢につかってどうする!!医療費上げたいんか!?あんたは国民の敵かっ!?


とは言えず・・・

「あ、はぁ。。。」

と言って、その日はすぐに採れた尿をGram染色して、
尿路感染がなさそうな事を確認して、
帰りました。

(この患者さんは、前の週にSBT/ABPC→SBT/CPZにて発熱に対して治療された経緯あり
。胸水はOpe侵襲のために以前からたまっている物で、呼吸苦はなし。)


次の日


「熱出るな!!」と祈って病棟に向かった僕は、患者が平熱+元気である事を確認し、胸を撫で下ろしました。

(良かった〜。熱治まってたらファーストシン®いってなくても文句は無かろう。)

そう、思っていたんだけどな。。。って話ですよ。


なのに。


夕方に病棟に行くと。。。

「先生、患者さんがまた熱出てます。」

という、看護師さんからの嫌な報告。
(えぇ、出るでしょう。知ってましたよ。泣)

〇〇先生からは
「ファーストシン®いっといたで」との魔の一言が。。。


「っていうか、お前、昨日ファーストシンいってないやん!!」


しまったorz
ファーストシン®を阻止できなかった。。。
メラゾーマがぁ。。。


メラゾーマに耐性を持ってしまった菌達が今度暴れだしたら・・・
次は何を使うんですか、先生!?

とは言えず。。。
「すみません」の一言。

ちなみに、先生のカルテを見ると
「発熱。 ファーストシン投与開始。」
(まさかのノーアセスメント)

ノーアセスメント・メラゾーマを打ちっぱなし、というのも悔しいので、
インフルエンザも、ちょろっと出た痰のGram染色も、便培養も、CDトキシンも見てやりましたよ。

なんにも出なかったけどな。。。
血液検査もWBC1万、CRPが2.0ぐらい。
本人の重篤感はなし。
というか、個人的にはウイルス性の風邪か咽頭炎だと思っています。
だって、ちょっと喉が赤いんだもの。


P3280287_9


僕のふがいなさのせいで、
ファーストシン=CZOP
は、次に熱発した場合、この患者には使えなくなってしまいました。

〇〇先生は、その後も「まだ、やっぱり熱出てるなぁ。」とぽつりとおっしゃっておりました。
まぁ、その前に診察してください。と、言いたいですが。。。

これ以上のEscalationはやめてもらいたいものです。


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コメント

これからの市立奈良病院の抗菌薬適正使用を支えるのは小林しかいない!
あとは任せた!

といってもあと2ヶ月で小林も奈良医大に帰るのか・・・。

 現場で超ワイド・広域スペクトラムの抗菌薬使用にブレーキをかけたり、抗菌薬の使い方をアセスメントして決定したりすることを、病院全体で足並みをそろえるのは、とっても難しいものなのですね。感染症に興味を持って、色々と本を読んだりこのブログやグラム染色道場やIDATEN関連のメールを読んでいると、『抗菌薬の適正使用』に対して、現場ではものすごく進んでいるように思ってしまいますが、感染症の起炎菌や耐性菌問題にあんまり興味のない方からすると、「何にでも効く薬があるから、それでたたけばええやんか。」という感覚は、やっぱりなかなかぬぐえないものなのですね。これだけ感染症科の先生のいる、奈良の地においてさえも・・・
 その点、一人で診療して一人でアセスメントをして決定して治療する一人医師診療所では、そのようなストレスは感じません。が、反面、ちょっと疲れていたり、忙しさに流されそうになったり、反対に、narrowにこだわりすぎて危ない橋を渡っているのでは、とヒヤッとしたり。一例一例を振り返って、自己反省と次はこんな時はどうするかを復習していく日々が大切だ、と感じています。

 現場で超ワイド・広域スペクトラムの抗菌薬使用にブレーキをかけたり、抗菌薬の使い方をアセスメントして決定したりすることを、病院全体で足並みをそろえるのは、とっても難しいものなのですね。感染症に興味を持って、色々と本を読んだりこのブログやグラム染色道場やIDATEN関連のメールを読んでいると、『抗菌薬の適正使用』に対して、現場ではものすごく進んでいるように思ってしまいますが、感染症の起炎菌や耐性菌問題にあんまり興味のない方からすると、「何にでも効く薬があるから、それでたたけばええやんか。」という感覚は、やっぱりなかなかぬぐえないものなのですね。これだけ感染症科の先生のいる、奈良の地においてさえも・・・
 その点、一人で診療して一人でアセスメントをして決定して治療する一人医師診療所では、そのようなストレスは感じません。が、反面、ちょっと疲れていたり、忙しさに流されそうになったり、反対に、narrowにこだわりすぎて危ない橋を渡っているのでは、とヒヤッとしたり。一例一例を振り返って、自己反省と次はこんな時はどうするかを復習していく日々が大切だ、と感じています。

>くつな先生
まぁ、できる限りやってみます。

>三省先生
アセスメントとそれを示すことの重要性について気づかされた1件でした。
「どこ」の
「何の疾患」を考えて
「何の微生物」を対象に投薬をするのか。
きっと抗菌薬以外にも考えていかなくてはいけない事なのでしょう。
あと、
それを「他人」と「未来の自分」に上手に示す事も重要なのだと、気がつきました。
まだまだ、勉強したいと思います。

これからも、よろしくお願いいたします。

一連の流れを読みましたがほんとひどい話ですね
自分の意見があるならその場でいう、それが怖いなら別の先生にこっそり聞く、結果的に処方しないならしない旨を連絡する
それができない程度のメンタルと能力で人の生命を扱われたくないものです
中途半端な気遣いと知識で連携を乱さないように
もちろんブログで愚痴るとか論外ですから

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