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2012年2月 5日 (日)

中心静脈カテーテル挿入時のクロルヘキシジン濃度

久々の管理人です.

福岡で開催された環境感染学会に参加してきました.

いくつかお仕事があったのですが,そのうちの一つは初日の朝イチで開催されたシンポジウム2「血管内留置カテーテル関連感染予防のためのCDCガイドラインをめぐり」での「生体消毒関連の諸問題」という発表でした.

現在,同ガイドラインでは,中心静脈カテーテル挿入時の皮膚消毒として,「>0.5% chlorhexidine preparation with alcohol」を推奨しています.でもこの「>0.5%」という濃度には,実は確たる根拠はないんですね.

昨年秋のClinical Infectious Diseasesへのletterでずばりこの根拠について質問した人がいるんですが,その返答は「0.5% chlorhexidine単独製剤と10% povidone iodineの効果は同等だった」というもので,これはchlorhexidine単独であれば確かに「だから0.5%ではダメで>0.5%が良い」と言ってもいいかもしれませんが,ガイドラインでの推奨は「with alcohol」ですから,0.5% chlorhexidine with alcoholと10% povidone iodineを比較してもらわねば困ります.

なに細かいこと言ってるの,と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが,基本的に薬は必要最低限が良いでしょうから,やはり専門家はこだわる必要があります.0.5%と1%では,副反応の発生率が違うかもしれないじゃないですか!

ただ,「アメリカにはそもそもchlorhexidineが2%未満の製品はないんだよ」という意見もあることから,現在も,そして未来も基本的に感染対策関係のstudyは「製品ありき」のものになることは間違いないでしょう.そういう意味では,私たちにできることは,「限られている」し,さらに「ガイドライン」が果たせる役割は,あるいは「ガイドライン」に期待できることは,縮小していくのかもしれません.

ちなみに,日本では,上記ガイドラインの推奨を満たす製品として,ヘキザックAL1%綿棒などがあります.

発表では,そのほかに,クロルヘキシジンドレッシングおよびクロルヘキシジンbathingについても言及しましたが,またの機会に…

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