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2011年12月 2日 (金)

化膿性関節炎と偽痛風

皆さんこんにちは。
去年、市立奈良病院の忘年会でグラム染色ネタをやってはずしまくった忽那です。完全にトラウマになりました。

さて、2年前に現在の病院にやってまいりましたが、来て最初の数ヶ月で驚いたのが偽痛風が多いことでした。
世の中にはこんなに偽痛風の患者がいたのかと。
痛風/偽痛風の場合は、同じ単関節炎を呈することの多い化膿性関節炎との鑑別が問題になります。
忽那がコンサルトをいただく場合は、整形外科の先生が穿刺して「あーコレ、感染っぽい」と判断されてからなので、だいたい化膿性関節炎です。
そういう場合に関節液をグラム染色してみると、だいたい彼らが見えます。

Pb090022

化膿性関節炎の関節液グラム染色では、Gold Standerdを関節液培養陽性としてグラム陽性球菌では50〜75%とまずまずの感度である一方、グラム陰性桿菌では50%以下とされています(Goldenberg DL: Septic arthritis. Lancet 351:197-202, 1998.)。
個人的には抗菌薬が入っていない症例ではけっこう見つかる印象です。
ちなみに抗菌薬が入っていない場合70〜90%で関節液培養が陽性となり、50%で血液培養が陽性でなるそうです。

診断アプローチについては、Kelleyに分かりやすい表が載っていました。

Photo

この表を見てお分かりの通り白血球数がキモです(ただし完全に除外することはできません)。
白血球数は検体の濁りっぷりである程度想像できるためか、偽痛風の場合は整形外科の先生は関節液を見て「うむ、これは偽痛風だな」とだいたい分かるようで、忽那にお呼びがかかることはありません。
ですので、これまで偽痛風の関節液をグラム染色したことがありませんでした。

そんなところに先日、整形外科をローテしている研修医がコソコソグラム染色しているのを発見しました。
私が「これこれ君、何をコソ染めしておるのかね?」と尋ねると、「関節液です」と彼は答えました。

「整形外科の先生は偽痛風で間違いないっておっしゃるんですが、一応確認のために染めておこうと思って・・・だってオレ・・・いつかは忽那先生のようになりたいから!(すいません後半のセリフは勝手に付け足しました)」

その心意気に打たれた(そしてヒマだった)私は、彼と一緒に関節液を染めることにしました。
染め上がったスライドを鏡検してみると・・・。

Pc020147

Photo_2

うおおおおおおおおおおおお!
白血球がなんか食べとるううううううううう!
食べとるけども菌じゃなさそう・・・これはまさか・・・あのウワサのピロリン酸カルシウム(通称ピロリンさん)?

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結局整形外科の先生の言う通り偽痛風だったものの、ピロリンを見つけることができて研修医と2人で「ピロリンさん萌え〜」「ピロリンさんあげぽよ〜」などと言って盛り上がりました。
まあ菌が見つかるよりピロリンさんが見つかる方が患者さんにとっても良いことですよね。
しかし、グラム染色道場師範がご指摘されていますが、偽痛風に化膿性関節炎を合併することもありますので、ご注意ください。

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