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2011年9月16日 (金)

HSV-1の口腔感染症まとめ

市立奈良病院 感染症科 忽那静子です。
HSV-1感染症の口腔感染症(歯肉口内炎・咽頭炎と口唇ヘルペス)について調べる機会がありましたので、覚え書きです。
なんかごちゃごちゃしすぎて読みにくくてすいません・・・。

■Herpes Simplex Virus
* 単純ヘルペスはHerpesviridaeに属するウィルスによって起こる
* HSVには2つのサブタイプがあり、HSV-1は古典的には口唇ヘルペスの原因となり、HSV-2は古典的には性器ヘルペスの原因となる。しかし、これらはともにいかなる場所でも臨床症状を呈しうる。
* HSV感染症は口唇または生殖器の粘膜病変として現れ、通常集簇する疼痛を伴う水泡病変を呈する。初感染時には発熱、頭痛、倦怠感などの全身症状を伴うことが多い。

■HSV-1とHSV-2の違い

Hsv

■HSV-1感染症
・HSV-1ウィルスは口唇ヘルペスの原因として知られており、cold soresと呼ばれる口腔粘膜の水泡病変の原因病原体である。
・HSV-1は生殖器、肝臓、肺、眼、CNSなどその他の様々な部位にも臨床症状を呈する。

■疫学
・HSV-1は口腔分泌物による接触感染を介した人ー人感染で伝播する。
・世界中でみられ、性差はなく、季節性の変動もない。
・アメリカでは、年間50万人が初感染を起こすと概算されている。
・病変があればウィルス量は100〜1000倍にもなるため、人から人への伝播は有症状期に起こりやすい 。
・HSVは水泡病変の81〜88%、潰瘍または痂皮の34%、既往のある患者または血清学的検査で陽性の患者の唾液の3.6~25%で認められる。
・ある研究では、成人の2~9%、小児の5~8%が無症候性に唾液中にHSV-1を排出していた。
・HSV-1の口腔-生殖器を介した接触感染が、特に若年者の間でHSV-1による性器ヘルペスの増加の原因として認識されている。
・世界中で90%以上の人が人生の最初の40年の間にHSV-1に感染する。特に社会的・経済的な弱者に多い 。
・アメリカのHSV-1とHSV-2のサーベイランスで、1999年から2004年の間の11508人と、1988年から1994年の9165人が比較されたところ、HSV-1は62%から58%に減少していた。
・その後のデータなどからも、アメリカのHSV-1とHSV-2は減少傾向にあり、若年者は初感染のリスクが高くなっている。
・減少している原因が消毒法の変化やHSV-2の予防によるものかどうかは分からない。
・新規のHSV-1とHSV-2感染症の前向き研究では、HSV-1感染症の約2/3が症候性であり、HSV-1による性器ヘルペスが鼻咽頭感染症と同じ頻度でみられた(0.5例/100人年)。
・HSV-1の既感染によって、HSV-2感染症が無症候性になりやすいことが示されている。
・アフリカン・アメリカンの小児では5歳までに35%がHSV-1陽性になるのに対し、白人では18%であった。HSV-1抗体陽性率は思春期まではアフリカン・アメリカンの方が白人よりも2倍多いが、40歳までには差がなくなる。
・口唇ヘルペスの既往のある患者では、陽性率は93%でにも及ぶ 。
・皮膚または眼性HSV-1感染症は接触の多いスポーツの選手や医療従事者でリスクが高い。例えばある研究では、高校のレスリング合宿で34%が活動性ヘルペス感染症がみられたと報告しており、頭部(73%)、四肢(42%で)、体幹(28%)でみられた。興味深いことに、体重の重い人の方が軽い人よりも感染率が高かった(67 vs 25%).
・医療従事者もHSV-1感染症のリスク集団として2番目に位置する。ある研究では、医療従事者の抗体陽性率(50%以下)は、全体の人口の抗体陽性率(80〜90%)よりもずいぶん低く、そのため初感染を起こしやすいとされる。加えて、HSV-1は多くの病院で病院内アウトブレイクの原因となることがあり、これも標準予防策を徹底する理由の一つである。ある報告では、免疫抑制状態の肺炎患者の気管挿管後に角膜結膜炎となった医師もいる。この医師は眼の防具や手袋をつけずに挿管手技を行っていたという。
・片方のセロタイプのHSVに既に感染していることによって、他方のHSVのリスクが下がることが報告されている。ある研究では、HSVのどちらにも感染したことのない妊婦の3.7%が妊娠中に感染したのに対し、HSV-1に既感染の妊婦では1.7%であった。もう一つの日本人女性の性器ヘルペス患者を対象とした研究では、HSV-1を病変から検出した患者はHSV-2の血清抗体が陰性であることが有意に多かった。
・HSV-1抗体は、初感染が多くみられる生後5年の間に陽性になることが多い。ある報告では生後7ヶ月〜2歳の健常小児のうち20%で唾液中にHSVがみられた。


■初感染
・粘膜表面や皮膚にHSV-1が接種されると、ウィルスは表皮、真皮、さらには感覚・運動神経末端にまで侵入する。
・ほとんどのHSV-1による初感染は無症候性である。
・後ろ向き研究では、HSV-1抗体を持つ患者の20~25%が口唇ヘルペスの既往を、HSV-2抗体を持つ患者の10~20%が性器ヘルペスの既往があった(Johnson RE, Nahmias AJ, Magder LS, et al. A seroepidemiologic survey of the prevalence of herpes simplex virus type 2 infection in the United States. N Engl J Med 1989; 321:7. Oliver L, Wald A, Kim M, et al. Seroprevalence of herpes simplex virus infections in a family medicine clinic. Arch Fam Med 1995; 4:228.)。
・分泌物や粘膜との接触を介して他者に感染しうる。

○小児
・・小児での初感染のHSV-1口腔感染は通常、歯肉口内炎として現れる。
・短期間の潜伏期(平均6-8日、最大1-26日)の後、発熱、咽頭痛、有痛性水疱病変が突然現れる 。
・病変は咽頭や口腔粘膜のどこにでも現れることがあり、数日間かけて進行し軟口蓋、頬粘膜、舌、口腔底にも病変が及ぶ。
・歯肉炎および口唇や頬部への進展によって咀嚼、飲水、嚥下ができなくなる。疼痛コントロールと脱水のため入院が必要となることもある。
・一般的な全身症状は発熱、悪心、筋肉痛、イライラ、頸部リンパ節腫大、などであり最大2週間続く。
・ウィルスの感染は口腔病変との接触で起こる。
・水泡は通常ある一つの解剖学的な部位にまとまってみられるが、離れた部位への自己接種は起こりうる。

○成人
・成人での初感染のHSV-1口腔感染は重症咽頭炎として現れる。
・613人の大学生を対象とした研究では、臨床的な咽頭炎のうちHSV-1によるものは5.7%にみられた (McMillan JA, Weiner LB, Higgins AM, Lamparella VJ. Pharyngitis associated with herpes simplex virus in college students. Pediatr Infect Dis J 1993; 12:280.)。
・主な症状は咽頭浮腫(71%)、扁桃滲出物(40%)、口腔内の滲出性潰瘍性病変(34%)。その他の症状としては、発熱、悪心、筋肉痛、頸部リンパ節腫大などがある。
・重度の口腔の疼痛と発熱は通常2〜8日続き、水泡は痂皮化し治癒していく。これとは対照的に、頸部リンパ節腫大は数週間続く。

○治療
・発症72時間以内に適切に治療を開始すれば最大の臨床効果が得られる。
・ヘルペス歯肉口内炎に対し発症3日以内に経口アシクロビルを1週間(15 mg/kg up to a dose of 200 mg five times daily)投与された。プラセボ群と比較し、治療群では①解熱が早かった(1 vs 3日)②病変のある期間が短かった(平均4 vs 10日)③嚥下痛の期間が短かった(4 vs 7日)④ウィルスの排出期間も短かった(1 vs 5日)(Amir J, Harel L, Smetana Z, Varsano I. Treatment of herpes simplex gingivostomatitis with aciclovir in children: a randomised double blind placebo controlled study. BMJ 1997; 314:1800. PubMed PMID: 9224082.)。
・アシクロビルで早期に治療を開始しても、再燃のリスクは減らさなかった。
・その他の抗ウィルス薬、 famciclovir or valacyclovirに関しては初感染HSV感染症でのRCTがない。

■再発性口唇ヘルペス
・口唇や口腔周囲のHSV-1の再燃は世界人口の20〜40%でみられると概算されている。
・再燃した患者の間でも、再燃する頻度にはばらつきがあり、5〜23%の患者では月に1回再発し、58〜61%の患者では1〜4ヶ月に1回、19〜61%の患者では年に2回程度であった。性差は認められなかった。
・ある研究では、HSV-1による口腔ヘルペスの月毎の再発率はHSV-2による口唇ヘルペスの20倍であった(0.02 vs 0.001)。同じ報告の中で、HSV-2の性器ヘルペスの再発率は0.33/月であった。
・一旦HSV感染症が成立してしまえば、ウィルスは神経節ニューロンの神経細胞体に潜伏状態として生き続け、再活性化しうる。
・再活性化の頻度や重症度は免疫不全やストレスなどの様々な要因によって決まる。
・初感染のHSV-1とは対照的に、再活性化によるHSV-1感染症は所属リンパ節腫大以外は全身症状を伴うことは少ない。
・患者の大多数は再活性化のエピソードの前兆として疼痛、灼熱感、チクチク感、掻痒感などの前駆症状を自覚する。
・これらの前駆症状は最初の水泡が出現する6~53時間前に出現する。
・再活性化のパターンはかなり個人差があるが、個々人に特異的な誘因によって予測可能であり、病変も同一部位に再燃しうる。
・無症候性ウィルス排出は免疫正常者、免疫抑制患者のどちらにも起こりうる。
・無症候性ウィルス排出がおそらくウィルスが他者に伝染する重要な鍵となっている。
・再燃では全身症状がみられない。
・ほとんどの患者(85%以上)で有痛性の病変が口唇の境界に現れる24時間前に前駆症状がみられる。
・ほとんどの病変は100mm3以下と小さいが、大きい病変は治癒まで長い時間がかかる。
・病変は水泡から痂皮となるまで約8日間かかり、最初の24時間以降は疼痛は減少していく。

1)免疫健常者
・再燃エピソードは通常初感染のエピソードよりも有症状期間は短い。前駆症状の出現から病変の治癒まで平均5日間である。
・再活性化の頻度はウィルスのサブタイプ、解剖学的な感染部位などによる。
・HSV-1は口腔粘膜指向性があり、HSV-2は生殖器粘膜に選択的に感染する。
・口腔にも生殖器粘膜にも同時にHSV-1に初感染した患者では、生殖器よりも口腔領域に再燃しやすい。対照的に、口腔にも生殖器粘膜にも同時にHSV-2に初感染した患者では、生殖器の再燃が口腔再活性化よりも多い。
・再燃は増悪因子、再活性化の部位、これまで再燃した回数などから個々人である程度予測できる。
・HSV-1再燃の増悪因子には日光への曝露、発熱、月経、感情的なストレスなどがある。
・口唇ヘルペスであれば三叉神経の処置や抜歯などの初感染部位への外傷も再燃の誘因となりうる。
・再燃は通常、初感染と同じ部位や隣接部位に起こる。
・離れた部位に発生するのは、新しく起こった初感染、自己接種、稀な播種性感染症などによる。
・再活性化は月に1回(24%)から年に2回(19%)など様々な頻度で起こる。初感染のみ経験し、それに続く再燃が臨床的に認められない人もいる。

2)免疫不全患者
・免疫不全患者ではHSV感染症の再活性化の頻度が多くなり、重症度も高くなる。また免疫不全患者は肺、消化管などに病変が及ぶ播種性感染症のリスクも高くなる。播種性感染症は死亡率が高い。
・HSV感染症の重症度が高くなるリスクファクターにはHIV感染症、悪性疾患、臓器移植、栄養不良、妊娠、高齢などがある。
・ある報告では腎移植後の死因の62%がウィルスによるもので、HSVはそのうち60%を占めた。
・腎移植後のHSV-1感染症の発生率は35~85%であり、HSV抗体価の有無と量、移植片拒絶反応を防ぐために必要な免疫抑制のレベルによる。
・様々な悪性疾患に対して化学療法が行われた40人の解析で、HSV-1が口腔粘膜に存在するかどうかをPCRで評価したところ、化学療法前では70%、化学療法開始後2週間では87.5%にみられた。開始前には25%の患者で口腔病変がみられたが、2週間後の評価では65.7%に口腔粘膜の変化がみられた。
・骨髄移植患者のコホート研究で、HSV抗体陽性患者の82%で移植後にHSVの再活性化がみられた。これらの患者のHSV感染症は初感染よりも二次的な内因性の再活性化が多かった。ドナーのHSV抗体の有無はレシピエントの反応に影響しなかった。
・HIV患者におけるHSV-1の罹患率は5~20%。免疫健常者に比べ病変は重症化しやすく、局所の障害と持続性のウィルス排出がみられる。加えて、アシクロビル耐性の発生率が免疫健常者に比べて高いとされる。皮膚病変と対照的に、HIV患者のヘルペス角膜炎の罹患率は免疫健常者と同等である。
・CD4 200以下の進行したHIV感染症患者はHSV感染症の再燃や病変が広範囲となるリスクが増加する。HSV感染は皮膚のどこにでも起こりうるが、しばしば口腔や肛門周囲に広範囲に潰瘍がみられる。
・HIV感染症患者は食道炎、腸炎、脈絡網膜炎、急性網膜壊死、気管気管支炎、肺炎などがみられることもある。
・性器ヘルペス病変があると性交渉でHIVに感染するリスクが増加する。
・HSV-1に感染の既往のある移植患者の60〜80%で再活性化がみられる。
・ほとんどの患者は移植後数週間は咽頭ぬぐい液にウィルスが認められる。これらは無症候性のこともあるが、気管気管支炎、食道炎、肺炎、肝炎となることもある。
・重症熱傷や湿疹・尋常性天疱瘡などの皮膚疾患によって皮膚が傷害されると、重症HSV感染症のリスクが増加する。ヘルペス性湿疹(Eczema herpeticum)(Kaposi's varicelliform eruptionとも呼ばれる)は播種性の小胞性膿疱vesiculopustulesとびらんを特徴とする、皮膚病変にHSV感染が加わったものである

○鑑別疾患
・再燃するアフタ性潰瘍はしばしばHSV感染症と混同されるが、水泡病変が先行することはなく、もっぱら非角質化粘膜表面(口唇の内側表面、頬粘膜、舌上面、口腔内の前方の頬粘膜襞)にみられる。対照的にHSV-1の再燃(cold sores)は口唇の唇紅部の外側に起こる。
・その他の口腔や咽頭に病変がみられる疾患としてアフタ性口内炎、梅毒、細菌性咽頭炎、エンテロウイルス(ヘルパンギーナなど)、EBウィルス、Stevens-Johnson syndromeなどである。
・免疫不全患者では、その他ヒストプラスマ症などの真菌感染に引き続いて起こる潰瘍性病変も鑑別に挙がる。

○Episodic Therapy
・口唇ヘルペスの再燃では、アシクロビル400mgを1日5回 5日間内服することでウィルス排出、疼痛期間、治癒までの期間を減少することができる。これまでにウィルス培養検査で口唇ヘルペスと診断された免疫健常者174人が、最初に再燃の徴候があった時点から自己判断でアシクロビル400mg 1日5回を経口投与する群、または偽薬群に割り付けられた。アシクロビル治療群では、プラセボ群と比較して水泡の数や大きさに差はみられなかったが、ウィルス排出者数(アシクロビル群29人/114人 vs プラセボ群 29/60人; P = 0.004)、疼痛期間 (by 36%; P = 0.02)、治癒までの期間 (by 27%; P = 0.03)を明らかに減少させた(Spruance SL, Stewart JC, Rowe NH, McKeough MB, Wenerstrom G, Freeman DJ. Treatment of recurrent herpes simplex labialis with oral acyclovir. J Infect Dis. 1990;161:185-90 PMID: 2153735)。
・アシクロビルの局所製剤は口唇ヘルペスの再燃の病期をわずかに短縮することが可能である。口唇ヘルペスの再燃エピソードを頻回に繰り返す患者を、再燃の徴候がみられた時点から自己判断で5%アシクロビル軟膏を病変に塗布する群と偽薬群に割り付けたところ、どちらの研究でも5%アシクロビルクリームは病変の数を減少させなかったが、明らかな病期の短縮が認められた (前者の研究:4.3日vs 4.8日, P = 0.007, 後者の研究:4.6日 vs 5.2日, P = 0.006)(Spruance SL, Nett R, Marbury T, Wolff R, Johnson J, Spaulding T. Acyclovir cream for treatment of herpes simplex labialis: results of two randomized, double-blind, vehicle-controlled, multicenter clinical trials. Antimicrob Agents Chemother. 2002;46:2238-43 PMID: 12069980)。

○Chronic Suppressive Therapy
・口唇ヘルペスを頻回に繰り返す成人では、アシクロビル 400mgを1日2回経口投与することによって再燃の頻度を減らすことができる。年に6回以上口唇ヘルペスの再燃がみられる56人の成人を対象に行われた4ヶ月間観察された間に2回以上口唇ヘルペスの再燃がみられた22人の成人を、アシクロビル 400mg 1日2回経口投与するグループまたは偽薬グループに無作為に割り付けたところ、アシクロビルが投与された群では再燃回数が少なく (0.85回 vs 1.8回, P= 0.009)、また最初に再燃するまでの期間もアシクロビル群の方が長かった(118日 vs 46日, P= 0.05)(Rooney JF, Straus SE, Mannix ML, et al. Oral acyclovir to suppress frequently recurrent herpes labialis. A double-blind, placebo-controlled trial. Ann Intern Med 1993; 118:268. PMID: 8380540)。
・口唇ヘルペスを頻回に繰り返す成人では、 バラシクロビル 500mgを1日1回経口投与し続けることによって(少なくとも16週間は)口唇ヘルペスの再燃の頻度を減らすことができる。過去1年の間に4回以上口唇ヘルペスの再燃がみられた患者を、無作為にバラシクロビル 500mg 1日1回 16週間 経口投与する群(49人)と、偽薬群(49人)に割り付けたところ、偽薬群と比較してバラシクロビル群の方が再燃しなかった患者が優位に多かった(60% vs 38%, P=0.041)。また、最初の口唇ヘルペスの再燃までの期間もバラシクロビル群の方が優位に長かった(13.1週 vs 9.6週, P= 0.016)(Baker D, Eisen D. Valacyclovir for prevention of recurrent herpes labialis: 2 double-blind, placebo-controlled studies. Cutis 2003; 71:239.)。

○予防
・紫外線は口唇ヘルペスの再燃の誘因となるが、日焼け止めクリームを口唇に塗ることによって口唇ヘルペスの再燃を予防する効果がある。38人の患者が、以前に口唇ヘルペスがみられた部位に4MEDの紫外線が2度照射された。1回目の紫外線照射の前には日焼け止めを含んだ物質を口唇に塗り、2回目の前にはプラセボを塗った。プラセボを塗って照射した後には、口唇ヘルペスは38人中27人(71%)でみられ、再燃までの期間は平均2.9日であった。対照的に、日焼け止めが塗られた場合、口唇ヘルペスの再燃はみられなかった(ただし35人中1人は紫外線照射部位でウィルスの排出がみられた)(Rooney JF, Bryson Y, Mannix ML, et al. Prevention of ultraviolet-light-induced herpes labialis by sunscreen. Lancet 1991; 338:1419. PMID 1683420)。
・日光に曝露する状況で短期間アシクロビルを経口投与することで、紫外線誘発性の口唇ヘルペスの発症の予防や病期の短縮ができるかどうかについてはまだ結論が出ていない(Raborn GW, Martel AY, Grace MG, McGaw WT. Oral acyclovir in prevention of herpes labialis. A randomized, double-blind, multi-centered clinical trial. Oral Surg Oral Med Oral Pathol Oral Radiol Endod 1998; 85:55. PMID 9474615、Spruance SL, Hamill ML, Hoge WS, et al. Acyclovir prevents reactivation of herpes simplex labialis in skiers. JAMA 1988; 260:1597. PMID 3411740)。
・顔面の表皮剥離術を行う場合、バラシクロビルを前日の朝から内服しても当日の朝から内服しても、口唇ヘルペスの発症率に差はなかった。顔面の皮膚剥離術を行う84人の患者が、バラシクロビル500mg1日2回を前日の朝から予防内服を開始する群、または当日の朝から予防内服を開始する群に無作為に割り付けられた。何らかの感染所見が認められた時点と、治療終了の14日目に、全ての患者でウィルス培養が行われた。全ての患者が術後21日目までフォローアップされた。どちらの群でもHSVの再活性化はみられず、副作用もなかった(Gilbert S, McBurney E. Use of valacyclovir for herpes simplex virus-1 (HSV-1) prophylaxis after facial resurfacing: A randomized clinical trial of dosing regimens. Dermatol Surg 2000; 26:50. PMID 10632686)。
・三叉神経の手術を行う前日の夜からアシクロビル400mgを1日2回5日間内服することで、HSVの再活性化を予防できる可能性がある。三叉神経の手術を行う30人の患者において、アシクロビル400mg1日2回5日間を前日の夜から内服開始した場合、HSVの再活性化は15人中1人のみに認められた。対照的に、偽薬群では16人中12人がHSVの再活性化が認められた。手術の3日後、アシクロビル群の16人中12人、偽薬群の14人中3人においてHSVが培養で分離された。なお、本研究では参加者に口唇ヘルペスの既往やHSV抗体陽性といった制限がなかった(Schädelin J, Schilt HU, Rohner M. Preventive therapy of herpes labialis associated with trigeminal surgery. Am J Med 1988; 85:46. PMID 3044092)。

2011年9月14日 (水)

Certificate in Travel Health™への道①勉強資料準備編

市立奈良病院の忽那です。
青木先生のブログを見ていたら、Certificate in Travel Health™のことが書かれていました。
完全に忘れていましたが、そう言えば僕も次回は受けようと思っていたんでした。
むしろ「回帰熱の一発屋」としてはCTHは欠かせないマストアイテムではないでしょうか。
CTHがあってこそ回帰熱が輝いてくる・・・そうだ、来年こそは受けなくては!

ちなみにCertificate in Travel Health™は国際旅行医学会(ISTM)が毎年行っている試験で、
合格者には「名誉」がプレゼントされるという素敵な試験です。
おそらく給料が増えることは100%ないでしょう。
でも自分の肩書きに「Certificate in Travel Health™」って加わったらすごい仕事ができそうな感じでカッコよくないですか。
モテモテっぽくないですか。
そういう不純な動機で来年は受験しようと思います。

えーと、ISTMのサイトによると来年の試験は2011年5月2日か・・・。
もうあと9ヶ月しかないじゃないか!

というわけで、さっそく勉強を始めることにします。
こういうのは思い立ったときに始めないといつまで経ってもやりませんから。

まず勉強する前に、どうやって勉強すれば良いのかを勉強することにします。
こういうことはやはり先人たちに学ぶべし、ということですでに受験された方々のレポートがいくつか見つかりました。

■今にも落ちて来そうな空の下で
ISTMの試験@ブダペスト

■呼吸器内科医がアジアをめざすブログ
ISTM認定試験 その①

■ポスト米国臨床留学の道 - 日本帰国編
Certificate in Travel Medicine

■世田谷千歳船橋小児科:かるがもクリニックのブログ
ISTMのCTM(国際渡航医学会の試験)⇒勉強編

ふんふん・・・な〜る。
Keystone、MCQs、Yellow Bookか・・・。
フッフッフ・・・こんなこともあろうかと、すでに買っておりました!(読んでないけど)

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Yellow Bookの2012年度版も現在注文しているところです。
HunterもPlotkinもあるし、勉強の準備だけは万端だな・・・(何でも形から入るタイプ&買って満足するタイプ)。
よし、とりあえず勉強資料を用意したということで、今日のところはこの辺にしておいてやるか・・・。
まあこのID-CONFERENCEで「受験します」と宣言することで後には引けないように自分を追い込むのがこのエントリーの目的ですので、これだけアピールしておけば勉強はたぶん自発的にするでしょう・・・(するかな・・・)。
他にも「オレも受験するぜ!」と自分を追い込みたい方がいらっしゃいましたら、ぜひともこのエントリーに「受験するぜコメント」をお願いいたします。

2011年9月12日 (月)

まほろば観光名所シリーズ①本薬師寺跡のホテイアオイ

奈良観光大使(自称)の忽那です。
奈良で行われる感染症学会中日本地方会も近いということで、今日から月1くらいで奈良の観光名所を紹介していきたいと思います。
第1回目となる今回は、本薬師寺跡のホテイアオイを紹介させていただきます。

なぜ「本薬師寺跡」というかといいますと、藤原京があった頃に薬師寺がここにあったそうです。
薬師寺は都が平城京に遷都した際にお寺も一緒に移ったので、その跡地がここに残っているわけです。

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これがホテイアオイです。
一応調べてみましたが布袋寅泰とは関係ないようです。

この美しいホテイアオイの名所が、奈良県橿原市の奈良医大のすぐ近くにあります。
私が3年前に奈良に来て、一番最初に行ったのがここ本薬師寺跡です。
奈良医大に出張でいらっしゃった際にはぜひお立ち寄りください。

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こんな感じです。
8月下旬から9月中旬までが見ごろです。
今週末までは楽しめると思います。
忽那一家は毎年観賞に来てまして、今年は管理人御一家と一緒に遊びに来ました。

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ちなみにこのホテイアオイは、かつて畝傍北小学校の2年生の皆さんが植えられたということです。
当時ホテイアオイを植えた小学生たちが今頃は高校生くらいになり「あげぽよ〜」とか言っているかと思うと感慨深いですね。

P1060186

本薬師寺跡の場所はこちらです↓

大きな地図で見る


2011年9月11日 (日)

夏休み自由研究 -とある親父の足の裏-

目の前に置き忘れられたドン・クツナのMacBookAirを開いてみるかどうかで30分悩みました。
結局、開きませんでしたけど。。。
どうも、お久しぶりです。
小林です。


そういえば、
皆さん、夏休みの自由研究はもうお済みですか?
えっ?「夏休みは終わったよ。」ですって!?

ふざけんじゃねー!!俺の夏は、まだまだこれからだぜ!!


と、まだ夏休みをとっていない僕は、そう思う訳です。


さてさて、本題に入りましょうか?
ドン・クツナが「培地の中の小さいおっさん」の自由研究をしていたので、僕も自由研究を1つ。

題して!!


「とあるオヤジの足の裏」


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用意するものは・・・
①とあるオヤジの足(できれば不衛生っぽい方が好ましい)
②アルコール綿
③針(今回は23Gを使用)
④Gram染色セット
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今回のターゲットはこいつ!


Trichiphyton rubrum


Th_trichophyton


何が、「フェンスの上の鳥のような」だ!!


しかし、こいつ『もやし○ん』に登場したことがあるほどの有名人!!

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「おれも出たこと無いのに!!」
と、肺炎球菌が言ったとかいないとか。。。

では、そろそろ本題に。。。


【手順】
1、オヤジの足の裏にある、適当な水泡をアル綿で拭く。
  今回は、これ。
  いい感じに、不衛生な感じです。
Th__2

2、オヤジの足の裏の水泡を23G針で突く!!

3、水泡から出て来た液体をスライドガラスに付け、そのままGram染色へ!!

以上!!

で、どうなったかって??
こうなりました。

x100
P9080030


x1000
P9080035
P9080038


【考察】
本当にTrichophyton rubrumがいれば、x400の段階で見えてもおかしくないと思うが、今回KOH試験ができなかったので何とも言えない。
ただし、白血球数は多く、「掌蹠膿疱症」の可能性は捨てきれないと考える。
今後、KOH試験をどのように行うかが課題であろう。

【オヤジへのコメント】
水虫じゃないかもしれないよ、コレ。


今日は、眠たいので、T.rubrumに関するお勉強はまた今度にしましょう。
お休みなさい。

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