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2011年10月28日 (金)

グラム染色コレクション自慢大会

忽那です。
最近また鼻茸が育ってきました。
昨年末に手術してガリガリ削っていただいたのですが、しつこい野郎です。
おかげでこの数週間、嗅覚・味覚が徐々になくなってきています。
かなり辛いです。
でも・・・たとえ五感のうち2つを失っても、このID-CONFERENCEだけは最後までやり続けてみせるぜ!

・・・さて、今日は私のコレクション自慢の会です。
数日前に行った趣味の実験が失敗してしまったため、ネタがなくなり急遽差し替えとなったわけです。

グラム染色をしていると、ときどき「ほほう・・・」と通を唸らせる所見を拝むことができます。
私がこれまでに貯めてきたそのような記録をここで開陳させていただき、皆様にはワインを傾けつつご閲覧いただきたいと思います。

まずはこちら!

Photo_4

ランセット型のグラム陽性双球菌・・・ごく普通の肺炎球菌です。
しかしこの検体、実は膣分泌物なんです!
BVの起炎菌としての肺炎球菌・・・けっこうレアです。
いつも一緒にいる人でも、珍しい所でたまたま見かけると「おやっ」と思いますよね。たとえば僕の妻が知らない間に宇宙船飛行士になってたらたぶんビックリすると思います(たとえが間違っている気もしますが)。
細菌も同じことが言えます。
いつも喀痰で見てる肺炎球菌でも、膣分泌物で見つけたら不思議と感慨深い・・・。
いやー、グラム染色って奥深いですねえ。

いかがでしょうか。
ワインは進んでいますでしょうか。
それでは次の写真に参りたいと思います。

Germ_tube_4

これはC. albicansのgerm tubeです。
酵母からウニョウニョと生えてきているのは発芽管(germ tube)というもので、Candida属の中でもこの発芽管がみられるのはalbcansdubliniensisだけです。
albicansかどうかで抗真菌薬の選択が変わるので、この所見はけっこう重要です。
培地上に発育した酵母をウサギ血漿に溶解して3時間に観察すると、この発芽管がウジャウジャ観察できるそうです(私はやったことはありません)。

グラム染色貴族の皆様、いかがでしょうか。
私は鼻茸のせいでワインの味が分かりませんので、私にお気遣いなくグビグビ飲んでください。

それでは次のとっておきの写真を見ていただきましょう。

Photo_2

菱形の物体があるのがお分かりでしょうか。
マニアな方は「すわ!デカいFusobacteriumかっ!?」と一瞬間違われるかもしれませんが、これは気管支喘息患者の喀痰で認められたシャルコーライデン結晶です。
シャルコーライデン結晶は好酸球が崩れ、内顆粒が結晶化して形成されたものです。
だから何だって感じですよね。
別にこれが見えたからどうということはないのですが、個人的には繊毛上皮と並んで「見えたらなんとなく嬉しいもの」に含まれます。

私のコレクションはいかがでしたでしょうか。
明日のグラム染色道場師範のご講演に備えて勉強しなければなりませんので、今日のところはこれくらいにしておきます。
またコレクションが貯まったら開陳させていただきます。
皆さんもレアな写真をお持ちでしたら、ぜひとも教えてください。

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コメント

肺炎球菌ですが、どういうわけかいまだに尿から出たのは見たことがありません。

膣分泌物云々ですが、これは時々出るんですよ。
詳しく調べてないので分かりませんが、私の想像では、あんまり大きな声では言えないあーいったことやこーいったことが感染契機になるんじゃないかな、と思っています。あくまでも想像です。

肺炎球菌が原因のBVってけっこうあるんですね。
さすが管理人・・・。
膣分泌液に関しては右に出るものがいないですね!(他意はありません)

膣分泌物の専門ではありませんが、肺炎球菌はもう10年近くコレクションしてるので、多少のことは言えます。
女性性器検体から肺炎球菌が時々出ますが、BVかどうかは知りません(調べたことはありません)。
たぶん10例くらいはあると思うので、まとめればいいかもしれませんね。
あと胆汁とかから出たこともあります。考えてみれば胆汁酸で溶解するはずなんですけどね。
それにしても尿から出たのを見たことがありません。尿には何か肺炎球菌の増殖を抑制するものがあるのでしょうか(ちょっと調べれば分かることかもしれませんが)。
やっぱり多少のことも言えないな。

尿から出ることはありますが成人じゃありません。小児では年に1人居るか居ないかです。ちなみにインフルエンザ菌はそれより頻度が高いです。膣から肺炎球菌が出る患者さんは高齢者というより活動期の方に多く、セックスによる感染機会は否定出来ませんね。PIDになり入院を余儀なくされるケースもありました。でも肺炎桿菌は高齢女性に多いですが。莢膜という単純な事では済まされません。
胆汁からの菌分離は本来、胆汁酸塩により発育阻害のある(マッコンキーに発育しない)細菌は発育しないはずですよね。MRSAも発育するし、クロストリディウムなんかはどうなんでしょうかね。いつも考えながら仕事に埋没される現象です。ラウンド時にコメントすることもありますが多分難しくて分からないんでしょうね。

今更ながらですが、コレクション堪能させていただきました。
シャルコーライデン結晶、初めてみました。

ちょっと悔しくて微生物検査アトラスなる教科書を買ってしまいました。

日々、ハァハァ言いながら見てます(笑)。

IJWTS wow! Why can't I think of tihgns like that?

Begun, the great internet eduaciton has.

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