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2011年8月 6日 (土)

Candida

どうも、
「駆け出し」なのに「少なくとも1年目っぽくはないよね」と言われる、
研修医の小林です( ̄ー ̄)ニヤリ
 
 
現在、うちのボスがIDATENの夏セミナーに出かけていて不在のため、
「なんで血培が1セットなの!?それじゃ、ただの瀉血じゃないか!!」
などと怒られる心配もなく、のほほーんと患者さんを診ております。
 
 
そーいえば、
先日、担当の患者さんがちょろちょろと熱が出てきたので、いつも通り「3種の神器」こと
①胸部X線撮影
②血液培養2セット
③尿検査

に加えて、
まぁ、ついでにやっとくか。。。と「尿のGram染色」「喀痰のGram染色」をやっとりました。

その患者さんはバルーンカテーテルが留置されていたので、真っ先にそこから疑った訳ですが。。。
 
 
そこで見つけたのがこれ。
P7260020
 
P7260022_2
 
ご覧の通りCandidaっぽい酵母が、、、あんまり白血球はいなかったんですが。

それでも、ここまでやったら、ボスにもほめられるはずさ( ̄ー+ ̄)と、
ボスに報告

「先生、患者さんの尿から、こんなん出たんですけど・・・。熱発の原因ってこれですかね?Candidaっぽいですけど、抗真菌薬かましますか?」
と聞くと、一蹴されました(;ω;)
「カンジダ性腎盂腎炎って聞いたことある?ないでしょ?あんまりないんだよ。」
と。。。


ちなみに、そのときの尿検査の結果は「WBC+-、細菌2+、真菌2+、酵母3+、粘液糸+」とまあ、こんな感じで。ほんとに細菌がいるのか?という感じではあったんですが、、、

実際には喀痰から別の原因が見つかって、抗生剤を投与していくと、良くなっていった訳です。

P7210035
 
 
さてさて、その数日後。
いよいよ尿の色がおかしい!!と看護師さんに呼び出されまして。。。
お、今度こそか!?
と、思って「尿検査三種盛り」こと
尿検査
尿培養
尿Gram染色

をやってやりました。

するとΣ( ̄ロ ̄lll)

P7300071
 
P7300074

これを見る度に、背筋がゾクッとするのは、僕だけでしょうか?


結局、尿検査では「白血球3+、真菌2+、酵母3+」
とはいえ、熱発もなければ、WBCの変動も無く、症状も無いので、経過観察となりました。

後に帰ってきた尿培養結果は、やはりCandida albicansでした(v^ー゜)ヤッタネ!!


さてさて、Candida尿というのは、バルーン入っている患者さんでは良くあることらしく、
1つ上の先輩研修医に聞いたところ、、、
「うん、よく見るけど、気にしたこと無いなぁ。だって、勝手に治るもん。」
とのことで、、、

こうなったら、いつものUpToDateさんですよ。

INTRODUCTION — Funguria is common in hospitalized patients, and is generally benign. Invasive infection of the kidney is unusual, and is difficult to treat. The vast majority of fungal infections of the kidney and bladder result from Candida albicans and other Candida species. A variety of other fungi can rarely involve the kidney as a result of disseminated infection. These include:
- Aspergillus species
- Fusarium species
- Trichosporon species
- Mucorales (eg, Rhizopus, Mucor species) Dematiaceous molds
- Cryptococcus neoformans
- Dimorphic fungi (eg, Histoplasma capsulatum, Coccidioides species, Blastomyces dermatitidis, Paracoccidioides brasiliensis, Sporothrix schenckii, and Penicillium marneffei)

ふむふむ、やはり良くあることなんだな、と。腎臓に行くとヤバいのか、と。

RISK FACTORS — A prospective multicenter surveillance study evaluated 861 hospitalized patients with candiduria [4]. Candida albicans was found in 52 percent of these patients and Candida glabrata in 16 percent. The following risk factors were noted: urinary tract drainage devices (83 percent); prior antibiotic therapy (90 percent); diabetes (39 percent); urinary tract pathology (38 percent) and malignancy (22 percent). Only 11 percent had no underlying predisposing factors for funguria. Urinary tract infections associated with drainage devices, diabetes, or urinary tract abnormalities are considered complicated.

Candida albicans → 52%
Candida glabrata → 16%
さらに、Risk Factorとして、
バルーンが83%!!!Σ( ̄ロ ̄lll)
てか、それ以上に「先行する抗生剤投与」が90%!!!アワ((゚゚дд゚゚ ))ワワ!!

びっくりです。
ただ、感染なのかコロナイゼーションなのかの区別は難しいらしいです。

INFECTION VERSUS COLONIZATION — Most patients with candiduria are asymptomatic, and the yeasts merely represent colonization [3]. However, it is difficult to differentiate between colonization and bladder infection.
- Infected patients may have dysuria, frequency, and suprapubic discomfort, but others have no symptoms [4].
- Pyuria is so common in patients with a chronic indwelling bladder catheter that it cannot be used to indicate infection. (See "Urinary tract infection associated with urethral catheters".)
- Neither the presence of pseudohyphae in the urine nor the number of colonies growing in culture (unlike bacterial urine cultures) help to distinguish colonization from infection.

このGram染色見たら、仮性菌糸pseudohyphae 出まくってる気がするんすけど・・・。


で、治療するのか、しないのか、という話ですが、、、

Asymptomatic candiduria — Asymptomatic candiduria rarely requires antifungal therapy, unless it occurs in the setting of neutropenia, low birth-weight neonates, or urinary tract manipulation [14]. Renal transplantation is no longer an absolute indication for treatment of asymptomatic candiduria, but therapy can be considered on a case-by-case basis [7]. Imaging of the urinary system should be considered in patients who have persistent candiduria and who may be at increased risk for formation of fungus balls. This includes diabetics, those who have other urologic abnormalities that may predispose to fungus ball formation, and neonates [14].

Symptomatic candiduria — Symptomatic candiduria should always be treated. Treatment of candiduria should be tailored according to the identified Candida species and according to whether localized or disseminated infection is present. For patients with candiduria with suspected disseminated candidiasis, treatment should be chosen according to the recommendations for systemic infection. (See "Treatment of candidemia and invasive candidiasis in adults".)
Several agents are available for antifungal therapy for localized bladder or kidney infections. The treatment of fungus balls is discussed below. (See 'Fungus balls' below.)

Treatment_of_candidasis


UpToDateさんにはこんな“感じだ”と書いてありました。。。

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感染症」カテゴリの記事

コメント

小林先生、はじめまして。
いつもブログ楽しみに読ませていただいております。

尿のカンジダ、よくありますよね。

僕はむしろ肺炎の方に興味を持ったのですが、コレ何の菌だったんですか?
グラム染色を見ると炎症はそれなりに強そうなのに菌が少ない印象です。
もしかしてグルコース非発酵菌の菌交代でしょうか?
ただの勘ですけど…

よければ教えて下さい。お願いします!

コソ染め太郎先生
読んで頂きありがとうございます。
そして、
先生、さすがです!!
痰の染色はGNR-S(グルコース非発酵菌)で、P.aeruginosaでした。
先生のブログのように菌交代現象ではなかったのが幸いでしたが、、、
これからもよろしくお願いいたします。

ボスの雄姿、セミナーでこっそり見てきましたよ。髄膜炎のつかみはオッケーでした。
カンジダのグラ、きれいですね~~。しかし、ここまですごい視野は初めてです!

横浜のともこ先生

いるなら声をかけてくれればいいのに・・・。
でもだいたいどなたか検討がつきました(フッフッフ)。
次回は奈良ですので、奈良でお待ちしております。

>横浜のともこ先生
ボスの雄姿、僕も見たかったです!!
ここまで繁殖したカンジダは見たくないものですが。。。
くつなボス共々、来年のIDATEN奈良でお待ちしております。

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