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2011年8月12日 (金)

血液培養コメント教室 その2

それではお作法を理解していただいたところで、第二問です。

症例は43歳男性、膵臓癌術後です。術後3日目から発熱があり、セフメタゾールを使用していました。なかなか解熱しないので主治医が血液培養を採取し、血液培養2セット、4本中嫌気ボトル1本から培養20時間で陽性になりました。グラム染色の写真を示します。

主治医に対する適切なコメントをお願いします。

回答は来週月曜日頃に行いますので、それまでにご投稿お願いします。

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感染症」カテゴリの記事

コメント

挑戦させて頂きます。


培養20時間で嫌気ボトル(1/4)に生えてきたグラム陽性桿菌で、出現の早さから本物(コンタミではない)として扱います。
グラム染色からは嫌気性菌(C.perfringensなど)を疑いますが、一般的にはCMZが有効かと考えます。

しかし膵がん術後の発熱であり、縫合不全による腹膜炎、腹腔内にabsessの形成も疑われるためIEも含めた全身検索が必要になります。

抗菌薬に関してはバイタル安定(ショックもなし)しており重症度が低い場合はCMZを継続し培養結果、感受性結果、全身検索の結果を待って変更ないしは継続を決定するのが良いと思います。
逆にショックバイタルなど重症度が高いと判断したらカルバペネム(absessや多剤耐性菌を考えて)に変更する事がすすめられます。その後、感受性結果が出たらde-escalationを。

という感じでいかがでしょうか?

芽胞も無いし(見えない)、四角い形状で一部連鎖しております。
①皮膚疾患も明らかなものが無ければ腹部症状よりC.perfringensdで決まるでしょう
②C.perfringensの場合は特別薬剤耐性が無いのでペニシリンでの治療が期待出来るのですが、CMZに効果が悪いことと考えるとC.septicaやC.ramosumなどの低感受性もありCLDMやVCMの併用も考慮が必要では無いのかと考えます。C.perfringensの場合は翌日発育して集落性状で確認可能ですので明日連絡します。
③採血条件は良いでしょうか?採血部位が悪い場合はコンタミ菌として観察されます。コンタミの場合は症状が改善しない要因として膵液ろうや膵膿瘍などは無いでしょうか?カンジダが問題になることもありβグルカンを測定下さい。
④膵臓疾患の場合は原則、二次性腹膜炎の処方に準じて行うことが必要ですが血液培養の陽性率は低いためご注意下さい。
⑤43歳、男性ですが、HIVのリスクはありませんか?肛門周囲膿瘍のリスクがある場合はClostridiumが出ることもありますので参考にお聞きします。

うーん患者さん診てないので難しいです。

感染症初学者です。
よろしくお願いいたします。

①推定される病原微生物

まず、血液培養で認めている細菌はGPRです。次に、問題となるGPRは、
Listeria
Corynebacterium
Bacillus
Clostridium
Erysipelothrix
が考えられますが、
採取後から、短時間で陽性になっているので、採取状況にもよりますが、真の感染と考えた方がよいかと思われます。
V字型などの配列を認めていない点より、Corynebacteriumの可能性は低いと考えます。また、好気性ボトルからはえていないのであれば、Bacillusの可能性も低いかと考えます。
大きさが、もっと大きいようであれば、Listeriaの可能性は低くなると思いますが、このスメアで難しいように感じます。
あと、ルール違反かもしれませんが、検査技師さんに何っぽいか聞いてみたいと思います。
また、Clostridiumには、difficile,
perfringens,septica,tetanusなどが問題になり、septicaが大腸癌と合併しやすいなどの特徴はありますが、スメアだけでは判断は困難と思います。
その他、血液培養には認めておりませんが、院内感染であり、創部感染の可能性もあるので、緑膿菌やMRSAも鑑別に挙がります。


②推定される感染臓器

まず入院患者であるので、一般的な
・ライン感染
・肺炎
・尿路感染
・CDI
の除外が必要と考えます。
さらに、術後患者であるので
創部感染、腹腔内膿瘍の考慮を行います。
その他、非感染性の要素としては、常に薬剤性やPEなども考えておかなければなりません。
これに関しては、各種培養(血液、尿、喀痰、pusがあるならpus)、CXR、腹部造影CT検査で検査をしていきたいです。

③抗菌薬
①の起因菌をカバーするため、ならびにはCMZで反応不良と考えるのならば、広域になってしまいますが、PIPC/TAZがよろしいかと考えます。(仮にListeriaであっても十分、Clostridiumでも十分)それに加え、MRSAの関与も他の検体から疑わしかったり、重症であればVCMの併用も必要かと考えます。
※ListeriaはCMZに効果なし
Clostridiumの治療方針はペニシリン+CLDM
最初が広域でも細菌が培養されているので同定は可能です。感受性結果が分かればde-escalation可能です。

以上まとめると
①推定される病原微生物
・血培からはListeria,Clostridium
・その他の関与として緑膿菌などのGNR、MRSA

②推定される感染臓器
・r/o 尿路感染、肺炎、ライン感染、CDI
・s/o 創部感染、腹腔内膿瘍

③診断的リコメンド
・尿、喀痰培養
・pusがあるならpus培養
・CXR
・腹部造影CT検査

④治療的リコメンド
・PIPC/TAZ 4.5g q12hr(腎機能正常であれば)
・VCM トラフ15-20目標に

と考えます。
長くなりましたが、よろしくお願いいたします。

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