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2010年10月30日 (土)

国内初か!?

市立奈良病院の忽那です。

とある困った症例についてIDATENメーリングリストに相談を出してみました。
かなり面白い症例で、皆様興味を持っていただいたみたいで、普段はあまり発言をお見かけしないようなすごい先生方からもたくさんのアドバイスをいただきました。
いやー、IDATENってすごいですね。
各分野のトップクラスの知識を持ったスペシャリストが、ちゃんとメールを読んでくれて返事をくれるという。
東北大学教授の平潟先生(山口大学の大先輩です)にまでコメントいただき、大変恐縮しました。

お陰さまで、実はさきほど診断がつきました。
おそらく臨床症状と「この所見」をもって確定診断として良いのではないかと思います。
ちなみに診断は休日の検査室で一人で行ないました!!
テンション上がったわー。
思わず管理人先生に電話しました。
さっそく感染研の先生方にも連絡を取っているところです。
患者さんのプライバシーに配慮して、とりあえず相談にご指導いただいた先生方にだけ報告して、IDATENメーリングリストでの報告はほとぼりが冷めてからにさせていただくことにしました。

いやー、しかしこれが確定診断なら国内初症例か・・・。
こないだ発見した「県内初」の症例が霞んでみえちゃうぜ・・・(いやいや、一例一例が大事な症例です)。
新聞社が取材に押し寄せちゃったりして・・・散髪行っとかないと。
あ、その前に、とりあえずインタビューされたときのためにこの病気について勉強しとかないと・・・(※全て妄想です)。

しかし、感染症医たるもの、これを自分一人で診断できるようにならないといけないなーと思いました。
まだまだ未熟です。
ポテトチップスで言うと、5/8チップスどころか3/8チップスくらいだと思います。
早く立派なポテトチップスになりたいです(体型はポテトっぽいのですが)。
06
狂犬病をお一人で診断された山本先生はやはり凄い方だと改めて思いました・・・。
僕ももっとマンガを読まねば・・・(冗談です☆)。

10月29日(金曜日)のつれづれ

今日は忙しい一日でした。
京都から見学の医師がお越し頂き、外来、病棟、感染対策など色々な現場を見て頂きました。
奈良医大の感染症センターのフェロー一時〆切は10月30日となっておりましたが、おかげさまで複数の医師からご応募いただいております。内定した方々には教授から個別に連絡がいくと思いますのでよろしくお願いします。

現状でいいのか。もっといいやり方はないのか。もっとできることはないのか。誰も歩んだことのない道を、新しい仲間と一緒に切り開いていきたいと思います。頑張りましょう。

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写真は当科の「診断の神様」。今日も新たな鑑別診断を求めて勉強中です。

2010年10月29日 (金)

当直明けagain

昨日も当直でした。一緒に当直してくれるのは、優秀な1年目のT先生。
救急車が来たので、動脈血ガス採取に採血。ちょっとまって、手袋ね。
血液ガスや、LDHの解釈など、有意義な一時でした。
2階の自販機室でオロナミンCを飲んでいると、神経内科の先生と、これまた優秀で熱心な1年目のH先生にお会いし、少しお話をしました。神経内科の先生も、「感染症がらみのはどんどん僕の外来に紹介してください」とおっしゃってました~最近本当に意欲のある人が増えて嬉しいです。
今日は、京都から医師が見学に来られます。今日も一日、頑張ろう。
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写真は奈良医大にできたカフェの一風景。ここができてから当直明けの朝が楽しみになりました。

11月と12月の研究会の予定

というわけで、早速11月と12月に予定されている感染症センターがらみの研究会をざざっと紹介します。

  • 若手医師のための感染症・化学療法勉強会
    2010年11月9日(火)19時~ @厳橿会館
    ~宇野先生に、HIV感染症発見のコツを教えてもらいます。

Hiv

  • 感染制御フォーラム in NARA
    2010年11月11日(木)19時~ @奈良ホテル
    ~最近新しい薬剤の発売が相次いでいる抗インフルエンザ薬について、そして呼吸器感染症の最近の話題についてです。

In_nara

  • 第5回奈良県肺炎球菌ワクチン研究会
    2010年11月18日(木)18時45分~ @奈良ホテル
    ~最近乗りに乗っているくつなゲストライターが接種に取り組みについて報告します。そして金澤先生から特別講演をいただきます。

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  • 第6回奈良県新興・再興感染症研究会
    2010年12月2日(木)17時45分~ @奈良ホテル
    ~またもやくつなゲストライターからあっという症例発表があります。また安井先生からは新型インフルエンザについて特別講演を拝聴いたします。

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  • 第5回奈良県抗菌薬適正使用研究会
    2010年12月4日(土)16時00分~ @奈良県新公会堂
    ~こちらには笠原とくつなゲストライターが同時登場。症例検討形式で毎年あつい議論が戦わされる研究会。今のところ2症例が予定されています。特別講演は佐賀大学の青木先生にお願いしています。

このほかに、研修医の方には11月18日に「研修医の集い in Nara」が開催されます。こちらは青木眞先生がいらっしゃいます~そして当科からも症例呈示を行う予定です。

2010年10月28日 (木)

学生の方からのメールを二通

こんばんは、初めてメールを差し上げます。私は奈良県立医科大学△年生の××と申します。
   
昨日の夕方に麻酔科のポリクリの中で、先生の感染症のお話を聞かせていただきましたが、プリントもお話もとても面白くて理解しやすく、また是非とも続編や、応用編の講義のご予定があれば拝聴したく存じます。
   
先日のものは主にICUの医療者向けのものだったのでしょうか? 研修医でもありませんので、情報が入りにくくて困っております。もし、メーリングリストや、情報を得る手段がありましたらお教えください。
   
ところで感染症センターは、4週ポリクリは、行われていますのでしょうか・・・?
   
取り急ぎ、失礼いたします。

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆
4週ポリクリ、やってますよ~!是非参加してください。
続いてもう一通。

奈良県立医科大学医学科○○の■■です。
臨床講義では大変お世話になりました。
三回生の細菌学の講義があった頃に、IDATENの先生方が書かれた本を読んで感染症に興味を持ちました。風邪をひいて病院に行くと必ず抗菌薬をだされること、耐性菌が次々と現れていること、どの科に行ってもその必要性が変わらないこと、研修医になっても感染症について最新知識を学べるとは限らないことなどから今のうちにできるだけ勉強しておきたいと思いました。

学生でも参加できるワークショップを探そうと思いIDATENのメーリングリストに入りましたが、奈良医大の先生も投稿されているのを知って驚きました。もしそういったワークショップがあって、御迷惑でなければ教えていただけないでしょうか。

機会を見つけては勉強会などに参加するようにしています。いろいろと質問させていただくかもしれませんが、今後ともよろしくお願い申し上げます。

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆
学生の方々、中でも自大学の学生からお便りをいただくと、本当に嬉しいです。4年生や5年生でこんなに立派な文章を書くのに驚くのはもちろん、学生のうちからIDATENに加入して、それでいて「情報が不足して困っている」とは、大したものですね。
それだけアンテナを広げていれば、情報が不足している、ということはありません。

ただこういった方々のために、少しこのブログでもローカルな話題も提供していきたいと思います。よろしくお願いします。

2010年10月27日 (水)

PPSV23接種推奨勧告アップデート

市立奈良病院のくつなです。
ACIPの23価肺炎球菌ポリサッカライドワクチン(PPSV23)の接種推奨勧告がアップデートされたようです。

Updated Recommendations for Prevention of Invasive Pneumococcal Disease Among Adults Using the 23-Valent Pneumococcal Polysaccharide Vaccine (PPSV23)
JAMA. 2010;304(15):1660-1662

僕の乏しい英語力で読む限り、大きな変更点としては「19〜64歳の喘息患者と喫煙者もInvasive Pneumococcal Disease(IPD)のハイリスクとなるので、接種すべき」としているところだと思います。
アラスカの原住民やアメリカンインディアンについても変更があるみたいですが、僕のような奈良の小市民が気にすることではないので、だいたい変更点はこれくらいかと思います。

■喫煙者
2001-2003年のIPD患者の53%が喫煙者であった。
多施設集団ケースコントロール研究で喫煙者のIPDのリスクは非喫煙者の4倍だった
IPDのリスクは喫煙の本数に比例していた。

■気管支喘息
アメリカの成人の7.3%が喘息持ち。
テネシー州での集団ケースコントロール研究で、19-49歳の気管支喘息を持つ成人は健常人より明らかにIPDリスクが高かった(AOR = 2.4; 95% CI = 1.8-3.3)。
高リスクの喘息患者は低リスクの喘息患者よりIPDのリスクが2倍だった(リスクという言葉が多すぎてよく分かりませんが)。
より高齢の集団(平均年齢53歳)では、喘息患者は呼吸器疾患を持たない人と比較してIPDの罹患率は変わらなかった。COPD患者ではIPDリスクが高かった。

僕も喘息持ちなので接種した方が良いのでしょうか。
喘息患者と喫煙者も接種となると、相当な人が接種対象になりそうです。
製薬会社は笑いが止まらないのではないでしょうか・・・。

いきなり全ての喫煙者と喘息患者にPPSV23を打ちまくったら在庫がなくなって、
本当にリスクの高い無脾症などの人に打てないということがあるかもしれないので、
まずは症例毎にリスクを評価して喘息の重症度の高い症例から打ちはじめようかな・・・。
喫煙者には禁煙を勧めるのが先ですね。
奈良医大感染症センターにも喫煙者がいらっしゃいますが・・・。

2010年10月26日 (火)

喀痰採取の方法

市立奈良病院のくつなです。

「痰が欲しい・・・あの人の痰が・・・」

こんなことを病棟でブツブツ言ってたら完全に変態だと思われますが、
症状やレントゲンで肺炎と診断がついても肝心の痰が出ないということが多々あります。
そうすると、早くグラム染色して抗菌薬を決めたいので、入院したばかりの患者さんに30分ごとに会いに行くたびに「痰は出ましたか?」と何度も聞くことになり、あまりにしつこいと患者さんにも「この人、まさか私の痰を変なことに使うんじゃ・・・」と余計な心配を与えてしまうことになります。
大丈夫です、食べたりはしませんから。

痰が出ない患者さんから良質な痰をゲットする。
これは小学生がポケモンをゲットしたのと同じくらいの至福であり、また我々肺炎家にとって永遠の命題ではないでしょうか。
僕も現在の病院に来てから肺炎ばかり診ているので、痰のコレクション法についてうるさくなってきました。
これから私のことは「痰のソムリエ」と呼んでいただければ幸いです。

患者さんに痰を取ってもらう際は、当然個室が望ましいと思うのですが、当院では採痰室がないのでトイレで取ってきてもらいます。
Img_0598
この写真は、国際医療センターの院内の採痰室に貼ってあった「痰の出し方」です。
先日、輸入感染症講習会に参加した際に感銘を受けましたので撮影しておきました。
さすが国際医療センター・・・痰を取る部屋があるだけではなく、出し方の説明まで付いているとはサービスが行き届いています。
僕も痰を出してもらうときは患者さんにはこの写真のように説明していますが、肺炎の患者さんの場合、だいたいぐったりしていることが多いので、なかなかうまく取れません。

そんなどうしても痰が自分で出せない患者さんのために(というか痰がほしい医療者のために)、
喀痰の採取法についてこれまで偉大な先人たちが様々な方法を模索してきました。
有名なのは喀痰誘発法という、気管支粘膜に湿気と刺激を加えることで喀出を促すものです。
1958年にBickermanらによって高張食塩水とプロピレングリコールを用いて行なわれ, 1960年代にはRome、Brenner、Umiker、Sporulらによってさらに検討されています。
1992年GibsonとPinは喀痰誘発方法として高張食塩水の濃度を順次上昇させる方法を提唱し、この方法が安全で採取率が高いと報告しています。
くつなも現時点ではこの高張食塩水のネブライザーによる喀痰誘発を採用しています。
蒸留水20mlに1gのネブライザー用の塩を加えると5%食塩水になるのではないかと思います。計算合ってますでしょうか。
これで一度ネブライザーをしてもらい、ダメだったら倍にして10%でやってます。
それでも出なければ15%までは増やしてみます。
15%でも出なかったら・・・諦めています。
もしドラえもんのスモールライトがあれば小さくなって患者の気道に入って痰を取ってくるんですが・・・。

さすがに市中肺炎でいきなり気管支鏡は侵襲が強いのでためらわれます。ラポールの形成に支障をきたしそうです。
あと気管支喘息患者では気道刺激で喘息発作を誘発することがありますので、注意が必要です。

皆さん、痰の取り方でコレが良いという方法がありましたら教えてください。

2010年10月25日 (月)

2010年10月25日のつれづれ

今日は、静岡の方からはるばる見学に来られた方がいらっしゃいました(写真を取り忘れた!)。すでに十分な経験をお持ちの方で、こちらがお教え願いたいというところもたくさんありましたが、とても謙虚で感じのいい方でした。是非来年一緒に働けるといいな~。

毎週月曜日は「思いで症例」発表の日です。2年目の研修医が数週間ローテートした最終週に、一番勉強になった、記憶に残った症例についてまとめて発表してもらいます。
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こうして感染症センターをローテートした研修医達は、3年目以降に各科に飛び立っていきますが、確実にここで学んだことを活かしてくれています。
昨日の腸内細菌による髄膜炎の診断がついたファインプレーも、つい先日感染症センターをローテートした研修医の努力によるものでした。
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M先生。これからもここで勉強したことを忘れずに頑張ってください。

グラム染色の悩みの続き(解決編)

ゲストライターのクツナです。

前回グラム染色の主観性のことで真面目に悩んでいたら、管理人の先生が「googleのpicasaで菌を顔認識してくれるんじゃないか?」という、大変知性に満ちたコメントをいただきましたので、実際にpicasaでやってみました。

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picasaに肺炎球菌の写真をアップロードしてみました。
さて、肺炎球菌を認識してくれるのか・・・。

20101025_192201

な、なに〜!
認識してくれた!
まさかすでにgoogleは菌にも認識機能を広げていたようです。恐るべしgoogle!

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ニックネームも設定できるので、「ニューモコッチ☆」に決定。
たまごっちみたいでかわいいでしょ。
これでいつでも肺炎球菌の画像をアップすれば認識してくれるはずです。
googleバンザイ!

さらに、グラム染色道場師範手前先生からも「いや、むしろ白血球の方が認識されやすいんじゃないか」という、大変示唆に富んだ、どこまで本気なのか分からないご発言をいただきましたので、白血球でも試してみました。

20101025_193950

確かにご指摘の通り顔っぽいですね。タモリみたいです。果たして認識できるのでしょうか。

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認識キターーー!オレたちのgoogleに不可能はないッ!!

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というわけで、白血球のニックネームを入力。Leukocyteなので「ロイコ斉藤」ということでよろしくお願いいたします。

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おおっ!斉藤さん!お久しぶりッス!
というわけでpicasaで表示すると白血球も認識されました。

ID-conferenceでは感染症に関する、ためになる情報の配信を心がけております。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

※本文中のpicasaの細菌および白血球認識機能はフィクションです(というか冗談です)。

グラム染色における哲学的な悩み

ゲストライターのくつな featuring 鼻茸です。

グラム染色が診断に有用であることは言うまでもありませんが、
自分が行ったグラム染色の所見をどこまで信用して良いものか、
ということは自分にとって非常に悩ましい問題です。

Photo

写真は先日診た肺炎球菌性肺炎です。
ここまで白血球もグラム陽性双球菌が多数いて、
扁平上皮が見当たらなかったら誰でも「肺炎球菌性肺炎だ!」と思うと思います。
でもこの患者で肺炎球菌の尿中抗原が陰性だったらどうでしょうか。
思わず「尿〜!(NO)」と叫んでしまうのではないでしょうか。

自分がグラム染色をした場合、その解釈はどうしても主観的になります。
対して、尿中抗原が陰性であるという結果は客観的なものです。
なのでここでグラム染色の結果を信じて(尿中抗原は偽陰性であると考えて)PCGでいったろうやんけとするのは勇気がいります。
『感染症診療のエビデンス』という本によると、肺炎球菌尿中抗原の感度は70〜90%程度で、特異度は80〜90%と書かれています。
非濃縮尿であれば3割くらいは肺炎球菌性肺炎であっても陰性になりえるということです。
ただし「グラム染色で肺炎球菌が疑わしい」という状況では当然検査前確率が高くなるわけで、そのような母集団ではたとえ陰性であっても当然陰性的中率が高くなるわけです。
うーん、悩ましい。

ちなみにこの症例は気管支拡張症が背景にあり、緑膿菌の検出歴もあったためヘタレ的チョイスでCFPMで開始しました。
第2病日に尿中抗原検査をもう一度行い、今度は陽性だったのでPCGに変更して昨日軽快退院しました。

当院の研修医の先生は皆マジメにグラム染色をしていますが、
たまに「肺炎球菌が見えたので尿中抗原は陰性でしたがPCGで治療してます」とドヤ顔で言うことがあります。
いや、やってることは立派なのです。
でも後からグラム染色を見返してみると「うーん、これ唾液じゃないかなあ」というものだったりします。
このようにグラム染色は非常に有用ですが、グラム染色をみる者の習熟度によっては諸刃の剣になりえるということなのです。

細菌検査室のない当院ならではの悩みです・・・。

ゲストライターの活躍

先日からこちらのブログで活躍して頂いているゲストライターのくつな先生ですが、最近とてもご多忙です。
土曜日の研究会でも、座長をしていただきました。
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どうですか。この貫禄。
もし彼の妻が見ていたら、彼はこんなに活躍してるんですよ。と言いたい。
家ではどうしようもないヤツかもしれないけど、外ではこんなに活躍してるんですよ、と。
あなたがいない間に、家は散らかり放題だけど、外ではすごい人なんですよ、と。
奈良県で初めての感染症を見つけた人なんですよ、と。

11月18日の研究会や12月4日の研究会でも講演をされるようですので、興味のある方は是非どうぞ。

2010年10月24日 (日)

当直です。その2

さて、当直していると自分の病棟でも(そして外来でも)いろいろとありますが、院内のコンサルテーションもあります。土日、夜間はたまたま微生物検査室技師が当直をされているときはお願いできますが、今日はいらっしゃいませんでした…。でも、大丈夫です。

昼過ぎにある科から相談がありました。抗菌薬の選択と用法・用量について教えて欲しいと。
聞くと、すでに培養検体は土曜日の朝にとって冷蔵庫に入れてあるというので、早速もらってきてグラム染色しました。
こちらが本邦初公開?当センター自慢のグラム染色コーナーです。

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今回の検体はとある体液です。

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グラム染色するとこんな感じ。

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はっきりいってグラム陽性球菌を予想していたので見事に裏切られました。でもいいんです。バンコマイシンを使う必要がないと分かったから。
簡単な孵卵器もあるので、血寒に塗ってとりあえず培養しておきます。月曜の朝に培養開始するのと、今開始するのでは治療経過に大きく影響してきます。

10時間もするともうコロニーが生えてきました。

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ためしにコロニーを1つとってもう一度グラム染色。

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やっぱり同じもののようですね。今の治療継続でOKのようです。

さあ、明日の朝、微生物検査室に持っていってコメントを聞いてみましょう。
そうこうしているうちに、クリフハンガー、終わってしまいましたね。

これらの写真は、電子カルテに載せてあげます。そうすると、他科の医師も「ふーん」と興味津々です。

こういった作業は、他科の人からみたら、「めんどくせ~」と思われるかもしれませんが、感染症専門医にとっては、なんというか、すごく自己満足度の高い作業なんですね。心臓内科医が心カテする感じでしょうか。
グラム染色のみならず、培養やPCR、抗原検査などが全てできる感染症センター研究室。
研究室冷蔵庫の中身です。

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PCTやマラリアのキット、肺炎球菌の血清型判別試薬などもあります。患者診療から微生物検査まで、from bench to bedside、ここまでできる施設はなかなかないと思いますよ~。

これから、もっと、もっと充実させたいと思っています。

明日は東海方面から医師がお一人見学に来られます。明朝はカンファレンスや外来もあることですから、早く寝るとしましょう。夜は何も起こりませんように。

当直です。その1

病棟を持っている私達の宿命として、当直があります。そして今日は(実は昨日も)当直です。当直をする、というのは素晴らしいことであり、それによって得られる経験は何ものにも代えがたいものがあります。
大学で働くと、全てが教育の場になります。夜も10時をまわって「ルートが漏れました」とベッドを借りている病棟から電話がありました。手袋も、その場で捨てれる小型鋭利物廃棄容器もなかったのでもってきてもらい、手袋をしてルートキープし、その場で鋭利物を捨てました。まだまだ病棟によっては徹底できていないところがあり(当大学では医師がルートキープをするので、医師によってはなかなかそこまでしないんですね)、「へ~いいものみました」みたいな感じになってました。

でもこういった地道なことが大事だと思ってやっています。こういう積み重ね、こういうなんでもないことが、例えば介助についてくれたナースの人生も変えうると信じて。

大学病院で働くのは大変ですが、つくづくやりがいのある仕事だと感謝しています。

つづく…

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