無料ブログはココログ

« 本当に帰ってきた ID CONFERENCE 肺炎と皮疹③ | トップページ | 今朝のめざましテレビはひどかった »

2010年12月14日 (火)

あなたの血培、大丈夫ですか?

久しぶりに感染症らしき話題です。

先日の日曜日、奈良で臨床検査学会がありました。
その中で血培を扱ったシンポジウムがあり、小泉さんとともに司会をさせていただきました。
正直な感想としては、数年前に同様のシンポジウムに出席したときと、状況は根本的にはあまり変わっていないな、と思いました。ただ、数年前は「臨床医と検査技師とが密にコミュニケーションを取る」ということしか考えていませんでしたが、今回はもう少し大局的な見方をすることができました。
今の血培を取り巻く問題点は
・血培を自施設で行っている施設では、その血培の質を高める
・血培を外注している施設では、その血培の質を高める
という大きく2つの問題があるように感じました。
大事なことは、「外注がいい、悪い」という善悪の判断からこういった問題を切り離して考える、ということで、そこに解決の糸口が見えるように思います。

私は決して全ての病院で自前の細菌検査室を持つことが良いことだとは思いません。どうも「シェアする」ことが我々は苦手で、すぐに「自分の」ものを持ちたがる傾向にあります。イイ例えかどうか分かりませんが、「レベルC」の細菌検査室がぱらぱらと散在するよりは、「レベルA」の細菌検査室がびしっとどこかにあった方がいいように思います。あとは、「そこへいかに検体を運ぶか」そして「どう情報を返すか」というロジスティックな問題です。
この辺はアマゾンのお急ぎ便あたりのサービスを見ていると、本気でやればできることじゃないかと思います。

我々がするべきなのは、まず目標像を描き、今の自分の現状をそれに当てはめ、何ができていて、何が足りなくて、何をすべきで、今のリソースではそのすべきことの何%ができるのかをスタッフ全員で話し合うことです。決して「あの病院ではあれをやっているらしいからうちでもやってみよう」と安易に始めるべきではありません。

Photo

上の図をみてください。理想とする感染症診療を全て埋め尽くすまではできていませんが、いくつかの部署が重なり合い、かなり頑張っている状態です。あと足りない部分が何か、どこの部署がそれを担当すべきか、あるいは外部に委託すべきか、それをいつまでにするか、そういった計画を定期的にたてましょう。

不安材料や問題点は言語化し、予定をたてることで解消することができます。悪く言えば「先延ばし」ですが、それでも目印なく行き当たりばったりに動くよりはマシです。

例えば奈良医大感染症センターでは血培陽性例全例に電子カルテにコメントを記載していますが、その後のフォローはしていません(もちろん依頼があればします)。今のリソースではできないと判断しているからです。そりゃぁ無理すればできるかもしれません。でも明日も、来月も、来年もコンスタントにそのサービスが提供できるかどうか分かりません。ならば「今はそれができていないけど、将来的にそれができることを見据えて計画をたて、今はしない」と全員がその状況を共有している方が良い、そういう判断をしています。

あなたの病院が細菌検査を外注していても、こうすれば「何を外注検査に求めるべきか」分かってくるはずです。あとは、委託会社との交渉と契約です。これを繰り返すことで、外注会社もきっと成長し、ニーズに応えるようになると思います(というかニーズに応えられる検査会社じゃないと生き残れなくなる)。

« 本当に帰ってきた ID CONFERENCE 肺炎と皮疹③ | トップページ | 今朝のめざましテレビはひどかった »

感染症」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/185562/50301718

この記事へのトラックバック一覧です: あなたの血培、大丈夫ですか?:

« 本当に帰ってきた ID CONFERENCE 肺炎と皮疹③ | トップページ | 今朝のめざましテレビはひどかった »

最近のトラックバック