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2010年12月15日 (水)

今朝のめざましテレビはひどかった

水曜日は出張日なので、いつも7時頃は車中です。
ラジオを聞いたり音楽を聴いたりテレビをみたり色々なのですが、今日はたまたまめざましテレビをつけていました。
すると、いきなりおどろおどろしいマイコプラズマの生写真をだして、これなんだか分かりますか?と。
数分間にわたってマイコプラズマが流行していることを伝え、「手洗いとうがいをするように」という専門家のコメントを流し、すぐに菅総理の話題へとうつりました。で、「マイコプラズマ肺炎の治療にはペニシリン系などの抗生物質が使われるが全く効かない」と恐怖だけを植え付けるような報道。何を伝えたいのでしょうか?思ったことを箇条書きに。

  • テレビは人の健康に関わるようなことを安易に報道すべきでない。
    • 我々でも一つの病気を患者さんに説明するのに10分~数十分かかります。わずか数分で何十万人もの人に説明する対象として、健康に関するものを扱うのは不適切で不親切です。
  • マイコプラズマに感染したら全員肺炎になるわけではない。
    • 成人で抗体を持っていたら感染しないこともありますし、感染しても軽症で済むこともあります。肺炎になるのは一部の患者さんです。咳が出ている、長引いているからといって肺炎だとは限りません。
  • マイコプラズマに感染したら全員抗生物質が必要になるわけではない。
    • マイコプラズマは通常予後のよい病気です。多くの方は抗生物質を投与しなくても治ります。
  • マイコプラズマ肺炎になっても効く抗生物質はある。
    • めざましテレビの内容が完全に間違っていたのはここで、「ペニシリン系などの抗生物質が全く効かない」と言っていました。まだ「など」が入っていなければよかったのですが、「など」を入れてしまったばかりに、有効性の期待できるマクロライド系薬やテトラサイクリン系薬、キノロン系薬などの抗生物質の存在を全く無視しています。これは「誤報道」です。

もうすでに多くの人が指摘していることですが、マスコミは報道するのならもっと病気のことを勉強するべきですし、どう報道するかもよく勉強するべきです。上記のような報道をされるのは、一医師として、非常に迷惑です。

このページを訪れた患者さんに補足しておきます(ただしこのブログ自体は医療従事者を対象としたもので、患者さんを対象としているものではありません)。

確かに長引く咳(通常1週間~2週間以上と定義されます)は色々と問題があることがあります。多くは感冒後咳嗽といって、風邪の後にただ咳が長引く、というあまり心配することのない病態ですが、場合によってはマイコプラズマ感染症や、結核、肺癌や咳喘息など色々と考えるべき疾患があります。体調が悪いときには是非病院に行って下さいね。

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