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2009年11月 1日 (日)

IDSA@フィラデルフィア2日目-午後

朝2番目のセッションは固形臓器移植患者の感染症の Interactive Session に出席しました。腎移植、肺移植、末梢血幹細胞移植、心臓移植など様々な臓器移植患者におけるBKウイルス、Mucor、クリプトコッカス、CMV、M.abscessus、インフルエンザ(H1N1)などの感染症症例が呈示されました。

クリプトコッカスは血培で陽性になったもので、実は数週間前に私の大学で経験した症例でしたが、血培写真が提示され、コメンテーターの先生が "Go down and see the Gram Stain. That changes the world completely" とおっしゃっていたのがグラム染色擁護派の私としてはまさに我が意を得たりの気持ちでした(しかも英語でいうと何かかっこいい)。
 
ほとんど同じようなケースを数年前に日本でも経験し、学会のシンポジウムでも取り上げました。微生物検査からの報告のしかたとしては「真菌」「酵母様真菌」「クリプトコッカスの疑い」など様々な報告のしかたがありますが、特に「カンジダ属」か「クリプトコッカス属か」は選択する抗真菌薬が大きく異なってきますので非常に重要だと感じています。
 
個人的にはM.abscessusの治療(今回提示された症例は、入院時はazithromycin, amikacin, tigecycline、退院時はazithromycicn, amikacin, linezolid)やCMV retinitisの際のCMV antigenemia(血清陰性でも疾患除外は絶対できない)など実際に悩んだことのあるケースが多く、何となく居心地のいい?セッションでした。なお、H1N1インフルエンザですが、上気道検体でPCR陰性でも下気道検体で陽性になることがあるとのことで要注意です(ウイルスの増殖の場が違うからだろうという話でしたが、下気道のものは普通上気道まで上がってくるだろうにと考えると何か腑に落ちませんが)。
 
昼からはHIV関連のセッションに続けて出席しました。昨日書いたばかりのGulick先生がどちらにも出てきて(ほんとに活躍してるな~)さすがにもういいです、という感じでしたが。代わりにPaul Sax先生と先生を拝見できて良かったです。午後イチのセッションは症例のバックグラウンドを少しずつ変えて、HAARTの選択肢をどのように変えるかという内容の Interactive Session でした(特に耐性ウイルスに対してどのようにHAARTをmodifyするか)。二番目のセッションは基礎的なお話が多く、少し理解に苦しみました。しかしこれでのべ6時間くらいHIV関連のお話を聞いて、なんとなくですが概略が分かってきたような気がします。あとでしっかり復習をしておきたいと思います。
 
夜はお待ちかねの日本人食事会でした。総勢15名の方に参加して頂き(うち7名は米国で臨床感染症研修中の方でした)、私のお気に入りの日本料理レストランで歓談しました。時間が過ぎるのはあっというまで気づけば10時前になっていました。青木先生や古川先生、岩田先生や矢野先生に続き、着々と米国で臨床感染症を学んだ方が増えているのは心強い限りです。是非日本に帰ってきて頂き(帰らなくても)、私達の感染症診療スキルの向上にお力添えいただきたいと思っています。
 
全然関係ないですが、時差のない海外学会参加は本当にいいです。流石に夕方は集中力が切れてきますが、朝昼はとても集中できます。明日のお昼は有志でフィリーチーズステーキを食べに行くことにしました。せっかくですので例の有名店に行ってみたいと(まだ行ったことがない)思います。

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