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2009年10月27日 (火)

微生物検査室と薬剤部

アメリカに来てから、時々微生物検査室に出入りし、また薬剤部のカンファレンスに出席させてもらうことがあります。
以前にも書きましたが、ペンシルバニア大学の微生物検査室は、近くの他の関連病院の検体も検査しており、日中で15名弱が勤務しているでしょうか、それでいて3交代の非常に大所帯です。日本と違って面白いのは、この3交代をみんなでローテートするのではなく、「夜勤だけしか来ない」人なども結構います。従って「当直しなくていい」人もかなりいます。
やってる検査自体は日本とそう変わりません。グラム染色ももちろんやっていて(あたり前か)、「こういう所見のときは医師に連絡する」というのもちゃんと明文化されたシートがあります(血培でグラム陽性球菌が生えたなど)。

さて、日本での取り組みと異なり、こちらでは微生物検査技師は結果を医師に直接報告はしますが、抗菌薬の選択などについて助言することはほとんどありません(施設によって多少異なるとは思いますが)。それは、感染症専門医の仕事なのだそうです。
一方、抗菌薬の使用制限における抗菌薬使用許可は、感染症専門医がするほか、感染症専門薬剤師が行うこともあります。抗MRSA薬のTDMなどはやっていますが、こちらも「医師から要請があったときのみ」で、施行率はおよそ50%くらいとのこと。

当院の構図としては、やはり感染症専門医、微生物検査技師、薬剤師のそれぞれの専門性が確立しており、かつ人的余裕もそれなりにあるのでこのような体制が整っているのでしょう。

翻って日本で私達がやってきたことを考えると、これら3職種はそれぞれ病院の環境によってかなりオーバーラップしていることがあります。ここが非常に「日本的」なところだと感じます。

医師・薬剤師・微生物検査技師の交流は必ず必要です。必要な理由はいくつもありますが、私はその中で第一にあげたいことは、「それぞれの専門性をお互いのニーズを理解した上で発展させること」にあります。

自分たちの世界だけで技術・知識を深めていっても、実際の現場には何の役にも立たなかった、ということがあります。私は薬剤師や微生物検査技師の方と交流する上で、「えっ!そんなこと知ってるのなら教えてくれたらよかったのに!」とか、「えっ!そんなことできるのなら早く言ってよ!」とか何度も思ったことがあります。

壁がありそうで、ない。付かず、離れず。このような曖昧さは時として日本人の悪いところとして指摘されがちですが、私はこういったことを美徳として日本人らしい世界に誇れる感染症診療を展開したいと思っています。

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感染症」カテゴリの記事

コメント

流石です。まったく同感。
私も気持ちを新たにして、頑張りたいと思います。

しんちゃんさま

ポジティブなコメントありがとうございます。ヒトには色々な使命があるのだろうと思いますが、私は私に与えられた使命を果たそうと思っています。自分にできないことは子供に託そうと思っています(笑)。

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