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2009年10月16日 (金)

ペンシルバニア大学医学部感染症科

私はいまこちらでは基礎研究に従事していますが、時々臨床のカンファレンスなどにも参加させて頂いています。その中でも一番人が集まるのが金曜日8時~9時の "Management Conference" です。

最初名前を聞いたときは、何のことか分かりませんでしたが、要は症例検討会です。たまに現在進行形で見ていてどうしていいか分からない症例が呈示されますが、多くはすでに診断のついた症例です。いつも私はこの症例検討会の中で、日本でも応用可能な部分がないかと思いながら見ているのですが、まあ難しいでしょう。何故か。

  • 参加人数が半端じゃない。そして参加者の質も半端じゃない。

    参加者がいつもだいたい50名前後です。そのうち15名くらいが faculty  で、あとはレジデントやフェロー、学生、微生物検査技師、薬剤師や私のようなごろつきです。
    Faculty は一人一人が日本の学会で特別招請講演をしてもらいたいような各分野の専門家です。何か分からないことがあってもだいたい知っている人がいます。いま現在進行中の study の途中経過なんかも交えながら。
  • 症例が豊富でフェローも豊富

    だいたい1時間で3症例が呈示されます。ほとんどが鑑別診断についてです。IDATENのケースカンファレンスの短縮版みたいな感じですね。だいたい誰かが症例を呈示して、faculty が簡単にまとめて fellow が当てられて鑑別診断をあげる、という流れなんですが、まあ例えば奈良医大なんかだと、ほとんどの症例は「全スタッフが把握してる」んですね。ところがこっちは症例も多いから、fellow A の症例は fellow Bは全く知らないという状況なんです(たまに知ってたら正直に知ってると答える)。

ということで、プレゼンの方法やサマライズのしかたなんかは多々参考になることがありますが、このカンファレンスの質はどうやっても日本に持ち込めない。残念なことですが。放射線科の医師も参加していて、こないだはウイルス性肺炎のケースで、「これは典型的なウイルス性肺炎の胸部CT像だ。なかでも私はこのパターンだったらアデノウイルスによる肺炎を疑う」といってました(実際はRSウイルスでしたが)。ウイルス性肺炎の胸部CT画像を集めて、現在解析中なのだそうです。

ちなみに症例はやっぱりひねったものが多く、免疫抑制患者の感染症か、旅行者の感染症が多いですね。解答が細菌性感染症というパターンはほとんどなく、だいたいウイルスかリケッチアが多いです。VZVの髄膜炎、バベシア症(末血像がマラリアそっくり)、True hyphaeを形成したCandida感染症、エキノコッカス、傍胸骨のアスペルギルス膿瘍、ヘルペスウイルス肺炎、変わったところでは orf virus infection。今日はBMT後の脳内腫瘤影で髄液陰性、脳生検JC virus PCR陽性のPMLが提示されていました。PMLのCSF JC virus PCRの感度は高いはずなんだけど、スタディはほとんどがHIVで行われてるから、BMT後などだとPCRの感度は分かんないとか。治療になるとIL-2がどうだとかメフロキンのトライアルがどうだとか。

ついていくのが精一杯です。

こんな症例が毎週毎週2症例も3症例も出てくるんですからやっぱり大したものです。

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