奈良医大感染症センターでは医師を募集しています & ブログ開設しました
奈良県立医科大学感染症センターでは平成24年度、当科で働いていただける医師を募集しております。
詳しくは当科ホームページをご覧ください。
また当科のブログも開設しております。こちらもご愛顧くださいますようお願いします。
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皆様はじめまして。
阪南市民病院 総合診療科の北和也と申します。
当ブログ管理人よりゲストライターのお誘いがあり、このたび記事を書かせていただくことになりました。
感染症界のスーパーエースであられる管理人、また感染症界の昇り竜であられる忽那大先生、そして超絶スーパーレジデント小林君が織り成す、この緊迫した三つ巴の中に足を踏み入れるのは容易ではありません。
ブログ内はすでに聖域と化し、強力な結界が張られているせいか、記事を書いているそばから気を失ってしまいそうです(当直明けの寝不足との鑑別は至極困難)。
さて、何を書けばよいか見当がつきません。
ブログのタイトルが“ID CONFERENCE”になってるので、『感染症のことを書けばよいのですね?』と管理人にうかがいましたら、『別に感染症じゃなくても、頭文字にに“I”とか“D”とかが付いてたらいいよ』との温かいお言葉。
『僕に期待することは何ですか?』とうかがいましたら、『マンガのこととか書いてくれたらいい』との愛溢れる癒しのお言葉。
『荒れませんか?』とうかがいましたら、『もう荒れてるよ』との非常に心強いお言葉。
そんな管理人の期待に応えるべく、とりあえず医療系っぽい話をほんと少しだけ書いてから今日は寝ようと思います。
先週の話です。
40歳くらいの男性で市中肺炎の症例なんですが、さて、痰でも染めに行くかと思ってふと入院時心電図をチラ見したところ・・・
V1-V3で明らかにST上昇・・・!!!
うほ!!ま、まさか心筋梗塞!!?た、痰など染めている場合ではない!!!
し、しかし、症状はあまりにatypical、既往はアトピー性皮膚炎のみで、その他リスクファクターなど特になしっっ!!!!
…い、否!!!!ここはもっと慎重であるべき!!!!!絶対違うとは思いつつも、やはり最も危ないものは否定しておきたい!!!!
うん、やはり経胸壁心エコーでも明らかなasynergyなし…。
よくよくみると、rsR'パターン(右脚ブロックパターン)かつV1-V3のST上昇はsaddle-back型…。
こ、これはもしや、悪名高きBrugada型心電図では!?
恐る恐る聞きました。
Question1:失神したことはありますか?
Answer:ありません。
少しほっとする。
Q2:心電図異常を言われたことはありますか?
A:ありません。
Q3:ご家族で突然死した方っておられます?
A:数年前、兄が痙攣で救急車に運ばれて、ICUに入って原因不明の心不全で亡くなりました。
……は、はぅぅっっっ!!!!ほ、ほんものやんけーーすぺぺぺっっっ!!!!!!!
結局、入院中は特に問題なく経過し、数日の入院で無事退院いたしました。
興味深いことに、翌日の心電図は、
とST上昇がだいぶ緩やかになっており、そのまた1週間後には、
ただの早期再分極?って感じになっていました。
い、いったい何がおこっているというのだ…。
ということで、患者さんの安全を守るべく、Brugada症候群について勉強しました 。
しかし、気付けばAM2時を回ったので、続きは明日以降にしようと思います。
申し訳ありません。突然ですが、失礼いたします。すぺぺぺぺっっっ!!!!
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市立奈良病院の忽那です。
現在、某MLで話題沸騰中のinfluenza folliclesですが、忽那はインフルエンザ患者の咽頭所見を見ていて全く気にとめていませんでした。
influenza folliclesについては発信源の山本舜悟先生のブログをご参照ください。
「インフルエンザを疑ったら喉の後ろの“イクラ”に注目!」今にも落ちて来そうな空の下で
咽頭炎との鑑別が必要なので、これまでもそれなりに注意して咽頭を観察していたはずですが・・・。
しかし、その目で見てみると確かにあります!
そして完全にイクラです!
当院のスタッフがちょうどインフルエンザに罹患したのでさっそく撮影し、ブログ掲載の許可も(半ば強引に)いただきました。
なんだかイクラ丼が食べたくなってくるほどのプリプリ具合。
撮影が下手で何度も舌圧子を突っ込み撮り直しましたが(すいませんでした・・・)、なんとかそれらしい写真が撮れました。
そう言われてみると、確かにこんな咽頭所見の患者さんはこれまでもたくさんいたような・・・。
今まで見過ごしていた所見の有用性を知り、また一つ臨床の奥深さを知った次第です。
いやー、目からイクラが落ちました。
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市立奈良病院の忽那です。
この度、1月20日(金)に市立奈良病院におきまして「なんということのないカンファレンス」を開催させていただくこととなりました。
なんということのないカンファレンスは、奈良でこっそりと立ち上がった総合診療・感染症に関する勉強会でして、これまでに2回開催されています。
皆さまのご参加を心よりお待ちしております。
会の後にささやかな(本当にささやかな)懇親会もあります。
第3回 なんということのないカンファレンス
日時: 1月20日(金)18:30〜
場所:市立奈良病院 東棟2階(予定)
私、忽那は「感染症にまつわるエトセトラ」と題して、小ネタをいくつか発表させていただく予定です。本当は「忽那とフロモキセフの千日戦争 〜第二幕〜」という演題を発表予定でしたが、諸事情により(お察しください)変更となりました。
当ブログ管理人も「間質性肺炎と尿路感染症の合併が疑われた成人女性の一例」という題名で発表します。特別講演などで全国行脚している当ブログ管理人の一般演題がみられるのは「なんということのないカンファレンス」だけ!
皆さま、お誘い合わせの上ぜひご参加ください。
市立奈良病院のアクセスは以下の通りです。
■JR奈良駅・近鉄奈良駅からの地図

■詳細地図

■交通アクセス
JR奈良駅より 市内循環バス(内回り)乗車→紀寺町下車
近鉄奈良駅より 市内循環バス(外回り)乗車→幸町下車
天理行きバス乗車→紀寺町下車
駐車場のご案内 駐車場は有料となっております。駐車場収容台数:約120台
備考 奈良交通バス時刻表はこちら
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市立奈良病院の忽那です。
今更ですがあけましておめでとうございます。
「喀痰採取の方法」というエントリーを書いて早1年。
しかし相変わらず私は喀痰を上手く取れずに悩んでおります。
痰を採取してもおよそ半分くらいは不良検体であり、高張食塩水ネブライザーに明け暮れる日々であります(それでも良質な検体が取れないこともしばしば)。
文献的にも市中肺炎で入院した患者の40〜60%は喀痰を自己喀出できず、喀出できるものも45〜50%は鼻咽頭のコンタミネーションであり不良検体と判断されると言われています(参考文献1~3)。
IDSAガイドラインでは「そんなに不良検体が多いんだったらもう肺炎で喀痰なんか取らなくてもいいよ」としており喀痰の評価は低いわけですが、喀痰には無限の可能性がある・・・そう私は信じています。
というか、喀痰グラム染色で起炎菌を特定できたときの快感は何者にも代えがたいわけです。
そんな喀痰採取について思い悩んでいる中、ふと女性の喀痰って良質検体が少ないことに思い当たりました。
ただの気のせいのような気もしますが、調べてみたらこのような文献が見つかりました。
市中肺炎ではなく結核の研究ですけども。
Improvement of tuberculosis case detection and reduction of discrepancies between men and women by simple sputum-submission instructions: a pragmatic randomised controlled trial.
Lancet. 2007 Jun 9;369(9577):1955-60.
■BACKGROUND:
・いくつかの状況においては、結核が疑われる女性は男性に比べ塗抹陽性が少ない。
・女性では不良検体が提出されることが多いのが理由の一つと考えられる。
・我々は実利的なRCTで、女性患者における喀痰排出の教育による効果の評価を行った。
■METHODS
・結核を疑われてパキスタンのRawalpindiにあるFederal Tuberculosis Centreを受診した1494人の女性および1561人の男性を、ランダムに「喀痰排出トレーニング」を行う群と「普段どおりに喀痰を出す」群とに割り付けた。
・133人(4%)が参加拒否した。
・主要評価項目は教育された群とされなかった群における塗抹陽性の女性の数とした。
・ITT解析した
■FINDINGS:
・訓練された女性ではされなかった女性に比べ塗抹陽性患者が多かった(Risk ratio 1.63 [95% CI 1.19-2.22])。
・訓練は塗抹陽性率増加 (58 [8%] in controls vs 95 [13%] in the intervention group; p=0.002)、唾液の提出率減少 (p=0.003)、早朝検体の増加 (p=0.02)に関連していた。
・男性では、訓練によって塗抹陽性率や検体の質に差は認められなかった。
■INTERPRETATION:
・Federal Tuberculosis Centreでは、女性の塗抹陽性率が男性より低いのは不良検体を提出しているためであったと思われる。
・短時間の訓練で女性の塗抹陽性は大幅に増加した。
・喀痰排出ガイダンスは途上国においては費用効果が良く、男女の塗抹陽性率の差を是正することができるかもしれない。
パキスタンはイスラム教徒の方が多いので宗教的なアレも関係しているのかもしれませんが、僕のスカスカの脳での解釈では「女性が痰を出すなんてはしたない・・・私は唾液を出すわ」ってことで良質検体が少ないのではないでしょうか。
これは日本人女性の考え方にも当てはまるところがあるように思います。
僕はそういう奥ゆかしさは嫌いではないです。まあどちらかと言うと好き・・・かなあ。・・・いや、正直に言って大好きです!
でもそれとこれとは話が別で、検体は検体としてちゃんと出してほしい。
これは我々感染症医にとって、何とかしないといけない由々しき問題です。
ここからは私の妄想ですが、「痰を出すことがはしたない」という考えは男性(というかパートナー)からの視線を気にしているためだと思われます。
女性から良質検体を採取するためには「たとえどんなに黄色い痰を出しても君への思いは変わらないぜ」という、決して揺らぐことのない深い愛情を持つパートナーの存在が必要不可欠なのではないでしょうか。
女性の喀痰に不良検体が多いのには、男性側の責任もあるのかもしれません。
喀痰の話から急に「オーラの泉」みたいな話になだれ込みましたが、本年もどうぞよろしくお願いいたします。
■参考文献
1)Rosón B, Carratalà J, Verdaguer R, et al. Prospective study of the usefulness of sputum Gram stain in the initial approach to community-acquired pneumonia requiring hospitalization. Clin Infect Dis. 2000 Oct;31(4):869-74.
2)Miyashita N, Shimizu H, Ouchi K, et al. Assessment of the usefulness of sputum Gram stain and culture for diagnosis of community-acquired pneumonia requiring hospitalization. Med Sci Monit. 2008 Apr;14(4):CR171-6.
3)Musher DM, Montoya R, Wanahita A. Diagnostic value of microscopic examination of Gram-stained sputum and sputum cultures in patients with bacteremic pneumococcal pneumonia. Clin Infect Dis. 2004 Jul 15;39(2):165-9.
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最近,自分の性格で気づいたことがあります.
それは「nicheが好きだ」ということです.別の言い方をすれば,「人がやってないことをやりたい」ということです.ただしこれは "novelty" が好きだということではなく,「必要性は明確だが,誰もまだ手を出してない」ことが好きだということです.それが,一番自分が「ワクワク」できる仕事です.
2000年当時,感染症はまだまだ "niche" な領域でした.2012年,感染症をやる人はとても増え,奈良医大の感染症センターだけをとってみても,毎年「感染症をやりたい」と言って入局してくださる方々がいらっしゃいます.
これだけ人が増えてくると,感染症領域の中でも "niche" なエリアが出てきます.さて,今の日本で,医師として貢献できる感染症領域の niche は何か?
私は今年も「自分でなければ」できない niche を探して頑張ります(およそ目星はついています).もうすぐ40歳.これから5年~10年がもっとも脂ののった仕事ができる時期だという自覚があります.私がこれから開拓する niche が,またそのうちやりたい人がたくさん出てきて私がまた別の niche を探さないとならないようになれば,成功だと思います.
今年もよろしくお願い申し上げます。
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市立奈良病院の忽那です。
大晦日の夜、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
忽那は市立奈良病院で年越し当直をしております。
当院は学年順に年末年始の当直日を決めていくという容赦無い年功序列システムなので、2番目に若い内科医の忽那は年越し当直になってしまいました。
妻と子供たちはとっくに実家に帰省しています。
さて、気を取り直しまして、今年も医学書・オブ・ザ・イヤーの季節がやってまいりました。
このアワードは2011年に発表された主に感染症に関連する医学書を対象に、忽那がお世話になった具合に基づいて独断で発表するものです。
「あの本が入ってないのはおかしい!」というご意見などもあるかもしれませんが、単にお金が無くて買えていないだけかもしれませんので、ぜひ良い本がありましたら教えていただければ幸いです。
それでは、大賞の発表の前に各部門の受賞作を発表していきたいと思います。
■2冊買っちゃった部門
クリニカル・リーズニング・ラーニング
Amazonでだいぶ前に注文したのを完全に忘れて再注文して同じ日に2冊届きました。
ちなみに洋書も持っているので同じ本が3冊あるのです。
妻にバレたら大変なことになりそうです。
しかし内容は相当面白いですコレは。2冊買うだけの価値はあります!!
NEJMのClinical Problem Solvingが好きな方は楽しめると思います。
■高くて買えなかった部門
Kucer's the Use of Antibiotics: A Clinical Review of Antibacterial, Antifungal Antiparasitic and Antiviral Drugs
抗菌薬に関する成書なんですが・・・これ5万くらいするんすよね。
マジぱねえっす。
定期的に価格をチェックしてるんですが、この円高の状況でも5万はするっていう。
妻が実家に帰省している間にこっそり買ってしまおうとも思ったんですが、後から怒られることを思うとなかなか一歩を踏み出せないでいます。
とりあえず代わりにCunha先生のAntibiotic Essentials 2011を買いました(こちらは2000円くらいです)。
小栗先生のこのハンドブックが出るのを心待ちにしていた微生物検査headzは多いことでしょう。
かく言う私も、第3版は新品がどうしてもみつからず、仕方なく誰かが試験前に書き込みしまくった中古本をAmazonで買って持ち歩いていました。
そんな中リリースされた小栗先生の待望のニューアルバム!
本当に待ちに待ったというに相応しい作品です。
もはやハンドブックの意味を超越した本の大きさですが、headzはあえてポケットに入れて持ち歩きましょう!
■マニュアル部門
総合診療・感染症科マニュアル
亀マニュはホントに小さい本に必要事項がコンパクトにまとまっています。
マニュアル本は得てして退屈で読み飽きてしまうので、これまでマニュアル本を通読したことがなかったんですが、亀マニュは電車の中でもサラっと読める飽きさせない内容です。
これを読んだ後テンションが高くなったので「よーし、オレたちも市立奈良病院マニュアル(奈良マニュ)を作ろうぜ!」と近くにいた研修医に声をかけましたが、返事はなく、私の声はただ深い静寂へと沈み込んで行きました。
その日は普段よりも酒量が多かった記憶があります。
■HIV部門
抗HIV/エイズ薬の考え方、使い方、そして飲み方
この名著のおかげでHIVを診るプライマリケア医が5万人は増えたのではないでしょうか。
HIV初心者はもちろんのこと、ある程度診療をしたことある医師も知識が整理できる内容です。
HIV関連って実はこういう本がなくて、岩田先生がHIVの本を書いていると別の著作で書かれていたので出るのを心待ちにしていました。
■買ったけどほとんど読んでねえぜ部門
Manual of Clinical Microbiology, 9th ed
まあこれはなんというか・・・本棚に置いてあるだけでカッコいい本ってありますよね。
「おっ、こいつは勉強してそうだな」みたいな。
これが僕の本棚ですが、このManual of Clinical Microbiologyがあるだけで賢い度が2ポインツくらいアップしてますよね。
こういう賢く見える本は裁断せずに取っておくタイプの浅ましい人間です、私は。
周りの先生方にナメられちゃいけませんから、ええ。
しかし買った直後に10版が出てしまって、なんか損した感じです・・・。
とりあえず微生物学に関しては小栗先生の本を熟読しております。
■考え方部門
呼吸器感染症の診かた、考え方
ICU/CCUの薬の考え方、使い方
関節リウマチの診かた、考え方
このシリーズはどれも名著揃いですが、この3作は感染症にも関係している点が多く勉強させていただきました。
さて、この「考え方シリーズ」も各ジャンルが出揃ってきましたので、そろそろ医学以外にも手を伸ばしても良いのではないかと思っています。
すいませんがこのシリーズで「仏像の見かた、考え方」を出版してみたい出版社の方がいらっしゃいましたらご連絡いただけますでしょうか。
ご好評いただければ引き続き「日本庭園の見かた、考え方」「寺院の階段の見かた、考え方」もシリーズでいけると思いますし。
よろしくお願いいたします。
■個人的な思い入れ部門
感染症診療の手引き
『感染症診療の手引き』は皆さんご存知の通り大曲貴夫先生方が作成されたものですが、これが最初にウェブ上に発表されたのは私がまだ救命センターで働いている頃でした。
当時の私は感染症のことをほとんど知らない状態でしたので、この手引きをプリントアウトして自分で冊子を作って常に持ち歩いておりました。
今考えると周りの人からは「こいつ貧乏くせえなあ・・・」と思われていたかもしれません。
そして、数年後に奈良医大感染症センターに来て驚いたのですが、なんと『手引き』の冊子があったんですね。
全く知りませんでした。
奈良医大感染症センターの連中は私の自作の冊子よりも洗練された『感染症診療の手引き』を持ち歩いており、「おいおい、何だよこの冊子、オレにもくれよ!」と思いましたが、引っ込み思案な私は言えずに自作の冊子を使い続けておりました。
これがその噂の冊子です。この写真は自治医科大学感染症科の藤谷好弘先生にいただきました。ボロボロに使い込んでいて良い感じですね。
その後は公開されている手引きのPDFをiPhoneに入れてカッコよく使うようになりましたが、自作の冊子は今も大事に机にしまっております。
そしてこの度ついに新訂版が登場しました。
しかも840円とお手頃な値段です。
あの頃の自分への供養として3冊購入しました。
■コンサルテーション・スキル部門
コンサルテーション・スキル
まあ私の場合はコミュニケーションスキル以前に診療スキルをどうにかしろよっていう話もありますが、ひとり感染症医をやっていることもあり他科とのコミュニケーションは重要な問題です。
自分の交渉力のなさを痛感するたびにこれを読み返し、「フムフム、な〜る」と思うわけですが、なかなかすぐに上手くはいかないですね。
診療だけではなく、病院内での他部門との交渉に関しても役だってます。
今年はいろいろな部署と感染症に関する取り決めに関して衝突することがあり(ひとりでやってるといろいろあります・・・)、上手くやっていかなあかんな〜と思っていますので、さらにコミュニケーションについて勉強したいと思います。
さて、お待たせいたしました。
いよいよ大賞の発表です!
忽那が選ぶ医学書・オブ・ザ・イヤーに輝いたのは・・・
■医学書・オブ・ザ・イヤー
免疫不全者の呼吸器感染症
感染症ケースファイル
いや、これはどちらも甲乙付けがたしということで両作とも受賞という形にさせていただきました。
医学生や初期研修医には『感染症ケースファイル』をお勧めしたいですし、後期研修医以降の方々には『免疫不全者の呼吸器感染症』をお勧めしたいです。
さて、医学書・オブ・ザ・イヤーをお送りしてまいりましたが、このような素晴らしい著作を書いてくださる先生方のおかげで我々は新たな知見を得たり、知識を整理することができるわけで、本当に著者の先生方には感謝しておりますし、心から尊敬しております。
というわけで今回、医学書・オブ・ザ・イヤーを受賞された著者の方々には、感謝の意を込めて忽那自作の回帰熱Tシャツを贈呈したいと思います。
全然欲しくないと思いますが、一方的に贈呈したいと思います。
最後にこっそり自分が一部書かせていただいた本も・・・
病院内/免疫不全関連感染症診療の考え方と進め方
感染症診療 Pro & Con
原稿を書くことで改めて勉強させていただきました。
関係者の皆様ありがとうございました。
それでは皆様、良いお年をお迎えください。
来年もどうぞID CONFERENCEをよろしくお願いいたします。
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♪いーつのーことーだか
思い出してごーらん
あんなこと
こんなこと
あったーでしょー
どうも、奈良のグラセン野郎こと、コバヤシです。
決して、僕が一応ブログを書いている、という事を「思い出せ」と強要している訳ではありません。
いままで、何度かヒブことHaemophilus influenzaeを見てきましたが、
(自分で見つけたことはありませんが。。。)
僕の知っている限り、
このグラセンブームが燃え盛っているうちの病院でさえ、研修医は毎回Hibは見逃してます。
2年目研修医「これ、Hibじゃないの?」
1年目研修医「え〜、そっちより、このGram陽性菌が原因菌っぽくないですか?」
2年目研修医「うーん、そうかもね〜」
そう!!
「はっ、はっ、はっ、Hibがゴミのようだ!!」
(もちろん、ラピュタのム○カ風に)
という理由からでしょう。
H.influenzaeはよくゴミと間違えられる!!
僕も、見つけられる自信は正直ありません!!(既に見逃しているかも、、、汗)
そんな、研修医を見かねて、「うちのししょー」こと忽那大先生が
「遠心しんしてやんよ!!」
と、
検査室をプチジャック、アーンド、セントリフュージ!!
点線か!!
と、誰もがツッコミたくなるような姿!!
すげー。。。
誰もが感心しました。
さてさて、そんな中、僕は独りでほくそ笑んでいました。
「ふっ、Hibとは限らないんじゃね?」と。
Haemophilus influenzaeという物は、莢膜株と非莢膜株があり、
莢膜株は莢膜のセロタイプによりtype a〜fの6種類に分ける訳です。
もちろん、HibというのはH. influenzae capsular serotype bのこと。
しかし、
この馬鹿の考える事は、確かに一理あるようです。
臨床細菌学で有名な本『Koneman's Color Atlas and Textbook of Diagnostic Microbiology sixth edition』によれば、
確かに、
H.influenzaeのserotype bが6種類のcapsular serotypeのうち、もっとも病原性が高い。
と書かれていますし、この本には、
と、記載がある訳です。
え?
英語が読めない!!
しょーがないなぁ、訳しましょう。
なので、疾患によっては、
Hibしか感染症を起こし得ない状況も多い訳です。
まぁ、そうなんです。
♪ヒーブのーことーです
思い出してごーらん
あんなこと
こんなこと
あったーでしょー
結局、奈良のグラセン野郎は思い出しても、知識が足りなかったという事です。
(> <;)
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市立奈良病院の忽那です。
いきなりですが、どうですかこの写真。
Klebsiella pneumoniaeのコロニーを引っ張り上げたときの写真ですが、過粘稠性(hypermucoviscosity)を示しておりネバネバ感が半端ない感じになっています。
このコロニーを持ち上げる試験をpositive string testといい、5mm以上の糸を引けば陽性となります。
先日奈良医大の微生物検査室にお邪魔したときに、このネバネバクレブ(通称ネバクレ)を発見し、30分ほどかけて美しいネバネバ写真の撮影に成功いたしました。
しかしこの美しいネバクレの写真を当ブログ管理人に自慢したところ「フッ・・・」と一笑に付され、
「その写真のネバネバ度はせいぜい『なめこ』程度だが、オレが保管しているKPC産生クレブのネバネバ感はそんなもんじゃない。ハッキリ言って『納豆』以上だ。出なおしてこい!」
と格の違いを見せつけられてしまいました。
このときの管理人はまるで「私の戦闘力は530000です」と言ったときのフリーザ様のようでした。はい。
ちなみにこのクレブは原発性肝膿瘍ではなく、普通の尿路感染症の症例から分離されたものです。
せっかくなのでこのネバネバクレブについて自分の知っている範囲でまとめておきます。
・K.pneumoniaeによる原発性肝膿瘍が、1990年代より台湾を中心として東南アジアに限局して市中感染型として発生している (J Exp Med. 2004 Mar 1;199(5):697-705.)。
・基礎疾患として糖尿病が多数を占めるが、基礎疾患のない患者でもみられることがある。
・これらの原発性肝膿瘍の分離株の多くはネバネバクレブであり、非原発性肝膿瘍由来株に比べて優位に多いと報告されている(J Exp Med. 2004 Mar 1;199(5):697-705.)。
・染色体性のmagAとプラスミド性のrmpAの2つの遺伝子が高い粘稠性に関係していることが報告されている(Clin Infect Dis. 2006 May 15;42(10):1351-8.)。
・このうち一方のmagAは莢膜血清型1型(K1)の莢膜合成に関与する遺伝子であることが判明しており、このK1株が欧米と比較して東南アジアでは圧倒的に多い原発性肝膿瘍発症に関与していたと考えられている。
・ネバネバクレブとK1株は必ずしも一致しないが、スクリーニングとして微生物検査室で簡便に行えるためネバネバ感を試してみると良いかもしれない。ネバネバ具合はむしろrmpAの遺伝子との関連が指摘されている。
・本邦でもすでにいくつか報告がある(J Infect Chemother. 2009 Aug;15(4):248-51. 感染症誌 2011;85:366-369)。
■参考文献
原田壮平. 肺炎桿菌-Hypermucoviscosity-転移性膿瘍. 呼吸器内科, 19(1); 17-21, 2011
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市立奈良病院の忽那です。
普段から役に立つ情報の少ないことで知られる忽那のエントリーですが、今回は慌ただしい年末のどさくさに紛れて、普段のクオリティに輪をかけて役に立たない内容をお届けしたいと思います。
「picasaで菌認識」「うどんCT」以来の役に立たなさだと思いますのであらかじめご了承ください。
突然ですが、皆さんはアスペルギルスの名前の由来をご存知でしょうか。
・・・。
そうでしょう、ご存じないでしょう。
ご存じないということで話を進めさせていただきたいと思います。
実はここだけの話、アスペルギルスの由来は・・・アスペルギリウムからなのです!!!
って言っても「アスペルギリウム」を知らないと思いますので補足いたしますと、よく僧侶系ジョブに就いている方がブンブン振っているホイミ的なアレです(適当な説明)。
という説明でも想像が付かないかもしれませんので画像を用意しております。
そうです、これがアスペルギリウムです。
だからなんだよって感じですけども。
つーかそんなに似てねえだろって感じですけども。
少なくともA. fumigatusはそんなに似てないと思われますよね。
これは以前撮影したA. fumigatusです。
なんか丸みがないんですよね。
これでアスペルギリウムっぽいと言えるのかと私は主張したいのです。
名付け親のPier Antonio Micheliさんに物申したいのです。
そんな憤りを抱える中、先日A. nigerが検出された患者がいました。
まずこのコロニーのどす黒さ、たまんないっす。
ちなみに撮影は安全キャビネットの中でしておりますのでご心配なく。
このコロニーから染めたnigerの写真はこちらです。
おおっ!
こうしてみるとA.nigerは確かに丸くてアスペルギリウムっぽいですね。
もしかしたらPier Antonio Micheliさんが最初に発見したアスペルギルスはnigerだったのかもしれません(根拠なし)。
しかし、現代の眼からみるとアスペルギリウムなんかよりもアフロヘアーを想起しますよね。
人間で言うとジミ・ヘンドリックス先生、仏像で言うと五劫思惟阿弥陀如来座像あたりが脳裏に浮かんできます。
もし私が現代にアスペルギルスを最初に発見していたら、きっとAfrollium Hendrixとか名付けていたと思います。
というか、むしろ現代では使われなくなったアスペルギリウムに由来するアスペルギルスという名前よりもAfrolliumの方が医学生は覚えやすいのではないでしょうか。
ちょっと学会で問題提起してみたいと思います。
私の趣旨にご賛同いただける方は、後日「東大寺の五劫思惟阿弥陀如来座像を拝んだ後にジミ・ヘンドリックスを爆音で聴きながらA. nigerのコロニーを鑑賞する会」のご案内をお送りしますので、忽那までご連絡ください。
役に立たないとは思いつつ最後まで読んでしまった皆様、貴重なお時間をありがとうございました。
以上の内容は、ただのくだらない冗談ですので決して炎上させないでください。
ID conferenceでは感染症についてためになる情報の発信を心がけております。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
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